高校三年生、18歳。当時は高校三年生をLJK(ラスト女子高生)と略すのが流行っていて、プリクラにもよく落書きしていましたよね。JKを卒業すること、「JKブランド」を失うことが、かつての私にとって、とても大きな変化に思えたことを今でも覚えています。

時代の最先端、女子高生最強説、新入社員チヤホヤ期、そしてわかったこと

「女子高生に流行っているもの」「女子高生が使う今どきの言葉」などの特集がテレビで組まれるのを見るたびに、「時代の流行りを作っているのは女子高生だ」と思いました。
今だけは何をしていても許される、何をしていても美しい。
だけど、自分の値打ちは年を取るごとに下がるのだろうと、怖かったですよね。

中高一貫の学校に通っていたので、高校三年生は相対的にお姉さんです。下級生を「若いな~」と見守り、「もう女子高生じゃなくなる」と思いながら卒業しても、大学に入ればまた「花の一女」とちやほやされます。
ちなみに、大学で「1姫、2花、3ババ、4屍」とかいう最悪の冗談にもよく遭遇すると思いますが、自分は一生花盛りなので安心してください。
「屍」を超えたらゾンビになるのか?5年生まで過ごした大学を卒業して、会社に入ったらまた「新入女子社員」ともてはやしていただけます。
若さのありがたみは、そんな訳で絶対的なものではなく、なんだか胡散臭いものであることがわかると思います。だから、年を重ねることを、そんなに恐れなくても大丈夫です。

10年で想像もつかない世界を体験し、不完全な自分に納得できるように

堂々と言い放ってしまいましたが、かくいう27歳の私も、いまだにエイジズムからは足を洗いきれていません。美しさとは若さであるという思考は、捨てようとしても骨の髄までしみ込んでいるし、年相応の振る舞いをすることへの、実体がない世間からの期待はずっとつきまとっています。

1つ安心してほしいのは、27歳の私は、18歳の頃より、自分のことをうんと好きだということです。流れる年月の中で、私はいくつもの選択をし、さまざまなことを経験し、ときに悩み迷いました。18歳の時には全く想像していなかったと思いますが、私はこの10年の間に、2度も海外で生活します。まだ、一度も国外に出たことがないよね。

それから、勉強も仕事もまじめに取り組んできたし、恋愛もしました。そして今は、18歳ではまだ行ったことがない場所に、一人で住んで働いています。これまでに選び取ってきた一つ一つの行動が、今の私を作っています。
もちろん、すべての選択が理想通りになってはいません。振り返って後悔することもあります。
それでも、今の私は、18歳の時より、自分がどんな人間で、何が好きで何が嫌いなのか、どんな素敵なところがあるのか、よく知っています。だから、完璧でない自分を好きだし、日々よくやっていると思います。

年を重ねるごとに自分という輪郭がはっきりして、研ぎ澄まされてきました。そのことが今、もうすぐ28歳になろうとする私の希望です。これからますます、自分の好きなものを選んでいった先に、どんな場所にたどり着くのだろう。今の私が想像していない10年後を、満喫していることを願っています。

世界は広いです。だから私は、世界がどんどん広くなるような選択をしてね。若いことは美しいですが、自分を知り磨くことにも美しさは宿ります。