私は23歳です。”23歳”っていうと、すごく”若い”ってわけじゃないけど、社会で活躍する”大人”っていう歳でもない、微妙なところにいるなって思うんです。感覚的には、そろそろ年齢を聞かれるのが嫌になってくる感じ。
だってほんの少し前までは、年齢を答える度にほとんどの大人が「わっか!」って反り返って驚いていたのに、最近はよく「もっと若く見える!」って言われるようになったから。その反応も、言われる側からしたらどう返せば良いか正直困る。それにしても、”若さ”ってそんなにも重要なことなのかな?
同級生が一斉に就職活動を始めても、私は他の子達のように動けず
前置きが長くなってしまいましたが、ここで少し私について。
私は一昨年大学を卒業して、ちょうど1年前から芸能事務所の養成所で演技のレッスンを受けながらフリーランスでモデルをしています。仕事が欲しくてオーディションを受ける日々を送っていますが、もちろん不合格をもらうことはしょっちゅうで、芸能活動を始めてからは自分が誰かに認められていると感じることはほとんど無くなりました。
それにつれて、生まれ持った天性のネガティブ気質に拍車がかかり、オーディションの審査員からはなんだか見下されていて、心の中で笑われているんじゃないかと妄想し始めるまでになってきました。
こんな私ですが、学生時代は英語が大好きで、1年間アメリカに留学したり海外ボランティアに参加したり、決して目立ちはしないけれど、自分なりに人生を有意義にしようと頑張ってきました。でも周りの同級生たちが一斉に就職活動を始める時期になると、私はどうしても他の子達のように動けませんでした。
「社会人としての経験を積みたい」「大手の会社に入ってたくさん稼ぎたい」「良い会社で結婚相手を見つけたい」「ファッションが好きだから服飾関係の会社に行きたい」「安定した人生を送りたい」……。
友人達はみんな、それぞれ自分が大人になっていくことを受け入れて、自分なりに納得して新しい道を進んでいるように見えました。
先の見えない暗闇を、方向もろくに分からず歩いている感じで
“やりたいこと”と“出来ること”はやっぱり違う。恥ずかしがり屋で見栄っ張りな私にモデルや女優なんて無理。そんな後ろ向きな思いがある一方で、もしここで諦めたら絶対に後悔すると、弱い自分を奮い立たせようとする私もいて、本当に毎日が葛藤です。
お恥ずかしい話ですが、毎晩実家のお風呂で声を殺して泣いています。就職して働いている学生時代の友達とも段々話が合わなくなり、今ではほとんど連絡を取っていません。
こんな中途半端な生活をいつまで続けられるのか見当もつかないし、どこまでやれば自分が納得出来るのかも分からず、先の見えない暗闇を、方向もろくに分からず歩いている感じです。いやむしろ私は、未来に進むのが怖くて毎日毎日”今”を引き延ばしているのかもしれません。
近所を歩くと、
「もったいない。家にいるなら早くお嫁に行けば良いのに」
と隣の家のおばあちゃんに言われるし、寂しさを紛らわすために男の子とデートしても、気分のアップダウンが激しい私を見て、
「もっと普通の性格だったら、人生イージーだったのにね」
と言われる始末。私が思っているよりもこの世界では、ちゃんと就職して、ちゃんと結婚して、ちゃんと生きることが大切で幸せなことみたいです。
今の私をギリギリ支えているのは、反骨精神みたいなもの
そして自分にしか出来ない方法で何かにチャレンジしたり人の役に立ったりしたいという漠然とした願望は、22歳までは持っていて良いのに、23歳になったらまるで悪者のような存在になってしまうみたいです。(あくまで4年制大学を出た私の主観で書いているので、語弊があったら本当にごめんなさい。)
やりたいことがはっきりと分からなかった私が芸能活動を始めたのは、“このままの私で終わりたくない”と強く思ったからです。
そして23歳になった途端に自分が“普通の大人”になっていくことに気づいて、どうしようもなく焦ったからです。今は先が見えなくて怖いけど、私はどうしても、少なくとも“今”は、私に自信を付けさせてくれる何かを探すつもりです。
世間がどう言おうと自分の生き方は自分が決める。そういう反骨精神みたいなものが、今の私をギリギリ支えているみたいです。