食欲が異常に増加し、理由もなく不安になりイライラして、肌が荒れる。不快な身体の変化は、毎月訪れる憂鬱な六日間が始まる合図だ。
生理痛で辛い時も「生理中ではないですよ」みたいな態度で仕事をする
思えば、小学校から始まった生理に随分と振り回されてきた。お腹が痛くて身体もだるくなり、動くことすら辛いのが二日ほど続く。
その後四日間も、ごわごわするナプキンと共に四六時中過ごさなければならない。まるで「生理中ではないですよ」みたいな態度で仕事をこなしながら。
“生理休暇”なるものは存在しているのに、使えない・使い辛いと感じている女性が大多数だと思う。生物として明らかに“弱っている”時期であるのにも関わらず、だ。
さらにとある国では、月経=女性は穢れているとされ、離れに閉じ込められて生理が終わるまで過ごすという意味不明な習慣がある。一か月の約四分の一に当たる期間を、血まみれになりながら過ごしているのになんなんだこの理不尽さは。
男尊女卑な世間に、「お前はどっから産まれてきてん、ボケ!」と叫びたくなる程の怒りが腹の底から湧き出てくる。何の罰ゲームなんだろう。
「吸水ショーツ」が、生理に対して抱く気持ちに変化をもたらした
そう、私は生理について、もっと言えば生理に対する世間の対応に苛ついている。
しかし、最近出会った“あるもの”が、生理に対して抱く気持ちに変化をもたらした。“吸水ショーツ”と呼ばれるそれは、ナプキンの代わりに経血を吸収してくれる機能が付いているので、何もせず穿きっぱなしで一日中過ごすことが出来る。
その存在は知っていたが、幾分値段が高く(一枚約六~七千円程度)、購入するか長いこと悩んでいた。けれど、GUや楽天などでリーズナブルな価格で手に入るようになったことを知り、早速使用してみると、予想していたよりも快適に過ごすことが出来た。
ショーツの吸水機能が経血をスッと吸収してくれるので、べたつきが気にならない。洗濯前に手洗いしないといけないのが難点だが、数時間ごとにナプキンを取り換える手間を考えると随分と楽だ。さらに、毎月となればまあまあな出費になるナプキン代も節約できるし、ゴミも減らせる。
こんな便利な物が、何故今まで普及しなかったのだろうと不思議になるくらい、吸水ショーツなしの生活はもう考えられない。
違法な薬でもあるまいし、なぜ生理用品を「茶袋」で覆うのだろう?
吸水ショーツを知ったきっかけは、私が好きなモデルさんのYouTubeチャンネルだ。動画の中で彼女は、「生理についてもっとオープンに話せればいい」と語っていた。
彼女だけではなく、他の芸能人やインスタグラマーなど、吸水ショーツを紹介していたほとんど全ての人間がそう話している。百億パーセント同意だ。
コンビニで生理用品を買うと、こそこそと茶袋に包まれて渡されることが、世間一般の生理に対する意識を明確に表していて、なんだかむずむずしていたのだ。違法な薬でもあるまいし、何で隠さないといけないのだろうか。
むしろ、オープンにして周囲に労わってもらいたい、というのが私の本音。生理前後は感情も不安定になるから、いつもより優しくされたいし、美味しい物も好きなだけ食べたい。
なによりも、生理で何かを制限されるのが途轍もなく苦痛だ。だから、少しでも快適に過ごせるグッズがあればどんどん使用したいし、それがもっと世の中に広まってほしい。
SNSの広がりで、隠されていた、否、隠そうとされていた情報がオープンになっていき、“常識”とされていたものは息をつく間もなく変化し続ける。茶袋で生理用品が覆われなくなるまで、後どのくらいかかるのだろうか。私の予想を超える速さで、実現してほしいと願っている。