もともと、恋愛感情の薄い人間ではあった。

恋愛感情が0なのか、0に限りなく近いだけなのかはわからない。もしかしたら、おばあちゃんになってから素敵な恋をすることも、有り得る。だから、ないとは言い切らないし、今は出身地も趣味嗜好もなにもかも、異なる他人と知り合いになる方法がたくさんあるのだ。SNSとかマッチングアプリとか。

友達がマッチングアプリに登録して楽しそうだったので、私も登録した

彼氏と別れる寸前の友達が、マッチングアプリを始めた。とても仲が良い友達、ではなかったので、SNSでその様子を遠巻きに眺めるに留めていた。

毎日、SNSに彼女の愚痴なのか喜びなのかわからない言葉が流れてくる。「メッセージが面白すぎw」「7人くらいつまらん男をブロードバンドしたわ」「返信遅い男はダメ」「プロフにオタクって書くとオタクばっか寄ってくる」と。

……なんか、楽しんでないか? 真剣に恋人を見つけるというよりも、暇潰しのゲームみたいな。別に、それが悪いとは全く思わないし、マッチングアプリの使い方なんて人それぞれだ。犯罪やぐずぐずの男女間トラブルに巻き込まれないように、上手に使えるならそれでいいだろう。

でも、あんまりにも彼女が楽しそうだったので、私もマッチングアプリに登録してみた。冒頭にも書いた通り、私は恋愛感情の薄い人間だ。だから、そこまで真剣な気持ちで恋人を探そうとは思っておらず、言い方は悪いが興味本位での登録だった。ただ、現在の私には恋人がいないので、恋が始まっちゃったら始まっちゃったで、なんの問題もない。

マッチングアプリに登録し、思うままにプロフィ―ルを作成した

大手のアプリを選んで登録した。まず登録が面倒で心が折れそうだったが、そこはなんとか頑張った。次にプロフィールなどを作成した。男性に受けるプロフィールのテンプレがあるのだと思うが、あえて調べずに思うままに書いた。その上、顔出し写真は出さないことにした。写真を撮られることが苦手で仕方ないので、まともな写真がなかったし、知り合いにバレたくなかった。

こんな状態なので、「下手したら誰ともメッセージを交わさず終わるだろうな。それはそれで面白い」とニヤニヤしていたのだが、普通に「いいね!」がきた。マッチングアプリは男性会員のほうが多いので、女性会員が人気だと、どこかで読んだ気がするけれども!!

そしてそこから先、あのガバガバプロフィールを読み、本当に「この子と話したい、仲良くなりたい」と思ってくれた男性だって一人や二人はいたのかもしれない。でも、こちらも人間で全ての男性と話すなんてできない、話したいとも思えない。

ざっとプロフィールを読み、話が合いそうな人だけに返事をした。まずそこで、何人かを切り捨てざるを得ない。

無事にメッセージのやり取りが始まっても、やっぱりどうしても合わない人というのはいるので、途中で返信をしなくなってしまうこともある。そして、それがマッチングアプリでは普通のことだから、一々申し訳ないとも思わないのだ。

私は純粋にエンタメとしてマッチングアプリを楽しみ、そして疲れた

なんだかゲームみたいだなぁと思った。ガチャガチャを引いて出たキャラのステータスを見て、この先使うキャラを決めて。でも、ステージが進んでいく内に、もっと強いキャラが仲間になって。

マッチングアプリの「いいね!」システムもゲーム性を高めている。「いいね!」数が多いほど、「いいね!」が貰いやすくなるとか、相手から「いいね!」が貰えると自分の「いいね!」も増えるとか……ゲームだった。エンターテイメントだった。

そしてやっぱり、私の中では全く恋が始まらなかった。私は純粋に、エンターテイメントとしてマッチングアプリを楽しみ、そして疲れた。ソシャゲをインストールしては消すのと同じだった。

もしかしたら友達も、恋をするより先にエンタメとして感情を消費してしまったのかもしれなかった。楽しい、興味深い、それらのわくわくが恋独特のときめきに変わらないまま、消費されていった。

それを悪いことだとは、やっぱり全然思わないし、実際私もそんな感じで終わったのだけれど。もし、真剣な恋をしたいならエンタメ的なわくわくにはご用心。それは、ときめきよりも魅力的な感情かもしれないから。