夏になると、なんとなく思い出す記憶がある。それは、中学2年生の頃の体育の授業。それも、プールの授業を。

生理で水泳の授業を見学すると伝えると、先生は「何日目?」と聞いた

「先生すみません、今日女の子の日なのでプールの授業を見学します」そう体育教師に伝えた私。なんとなく恥ずかしくて、「生理」と言わずに「女の子の日」と言った。返ってきたのは、「生理ね、わかった。今日、何日目なの?」という言葉だった。

何日目かなんて聞かれると思っていなかったから、驚きで信じられなかった。私は「あー……。2日目ですかねぇ」と正直に答えたけれど、教師とはいえ男性に生理が何日目なのかを伝えるのはすごく嫌だった。恥ずかしかった。

「前に月に2回生理が来るっていう生徒がいたので、聞いているだけです。誰かに言わないので安心してください。正直に答えてください」先生はそう言ったけれど、私には全く理解ができなかった。

何、このルール。意味がわからない。安心って何? 去年はこんなこと聞かれなかったのに。どうして何日目かなんて言わなければならないの? 生徒を疑ってる? 生理不順とかで2回あってもおかしくないよね? 体育教師なんだから、保健体育もやるし生理不順って知ってるよね? 言う必要あるのかな? 

何日目か聞いてくる理由を考えようとしたけれど、中学2年生の私の頭では、本当に意味がわからなかった。疑問にしか思わなかった。

先生と「生理、何日目か?」というやりとりは憂鬱でしかたなかった

当時はとにかく、仲の良い友達とひたすら文句を言っていた。「あの先生ありえなくない?」「あの先生に『先週も生理で休んだよね?』って言われたんだけど! 生徒の生理周期把握してるの怖すぎる」「何それ、キモい……」「生理で体調悪いのに何日目か聞かれるの本当にイライラする」「名簿に見学者書いてるよね。理由も書いてるのかな? やめてほしいなぁ」と。

先生はこういった文句を言われているのを知らないのか、ずっと生理が理由で見学する人には何日目なのかを聞いていた。私が聞かれているわけではなくても、そのやりとりは憂鬱でしかなかった。

プールの授業が終わった時にも、「何日目かのやり取りを、来年もしなくちゃいけないのかな……」と考えてしまうほど嫌だった。

しかし、中学3年生の夏には、何日目かを聞かれることはなかった。文句が先生の耳に入ったのか、保護者からのクレームが来たのか。何故なのか理由はわからないけれど、とにかく良かったと思った。

大人になって思う、先生にはもう少し私たち生徒を信じて欲しかったな

大人になった今考えてみると、プールの授業を嫌がる子が多いから、見学する為の嘘の理由に「生理」と言っていると思われたのかな、と思う。先生は、生徒を信じていなかったのだろうか。先生には、もう少し私たち生徒を信じて欲しかったな。

ただこういった理由があるとしても、中学生の思春期という多感な時期に、体育の授業の為とはいえ、生理が何日目かを聞くのはどうなのかと、私は未だに思っている。

今更思い出すのもどうかと思うけれど、毎年夏が来るとこの記憶を思い出すから、いつか良い思い出にしたいななんて思う。