特集:恋が始まらない理由

少しの違和感でゲームオーバー、そしてコンティニューする。恋愛はゲームみたいだ

恋が始まらない理由

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恋を始めるのにはルールがある。まるでゲームみたいだ、と個人的には思う。
私は社会人になると同時に上京した。
上京する予定はなかった。地元に本社がある会社に就職し、そのまま結婚でも何でもして、平凡に暮らす未来があったからだ。
ただ、現実は違った。
私は東京にいて、東京で恋愛をすることになったのだ。

社会人になると、今まで普通にできていた「恋愛」ができなくなった

大学生の時までの恋愛は形式じみていた。
同級生、先輩後輩、友人の友人、アルバイト先の人などと、適当に知り合ってなんとなく惹かれあって、気が付いたら付き合っていた。
なんの苦労もなかった。
ただ、社会人になると、今まで普通にできていたことができなくなっていた。

「この前マッチングアプリでマッチした彼、あんまり年収高くなさそうなんだよね……」
ルール①、男性の年収は高くなくてはいけない。

「この前デートに行った彼、ほぼ割り勘だったんだけど」
ルール②、男性には多く支払ってもらわなければならない。

「この前飲み屋で知り合った彼の家にそのまま行っちゃったんだよね……結構いい感じだったのになあ」
ルール③、真剣交際を望むならば、付き合う前に体を許してはならない。

大概の場合、これらのルールに反した場合、ゲームオーバーである。
ゲームオーバーになるたびに、私はコンティニューをする。

彼と付き合うかもしれない!そう思った彼から連絡が一切来なくなった

ある日のこと。私はマッチングアプリで知り合った男性と初デートで公園に来ていた。道中にコーヒーを購入し、2人でのんびり散歩をするコースだ。
私は彼のことを内心気に入っていた。段差があれば逐一教えてくれる。車道側を歩いてくれる。とても笑顔がチャーミングな彼だった。

その日は晴れで、「晴れてよかったね、暖かいね」なんて言いながら、私の心も温かさを感じていた。
帰り際、「今日はありがとうございました」と伝え、帰ろうとしたとき、彼は私の名前を呼び、引き留めた。

「本当に今日は楽しかった。あなたが良ければ次はディナーなんかどうですか?とってもいいところがあるんです」

私は心躍った。
こんなことは久しぶりだ!彼と付き合うかもしれない!
私ももういい年だ。彼も結婚適齢期、このまま結婚するなんてことになるのかな、なんてとても浮足立っていたのだ。
ただ、彼からそのあと連絡は一切なかった。
どうやら彼の中のルールを、私は破ってしまっていたらしい。

26歳には結婚している予定だったのに、こんなに苦労するなんて

私のライフはゼロだった。
今までは若さと体力で無理やりコンティニューをしてきた私だったが、もう26だ。
学生の時、私は26には結婚している予定でいた。
こんなに苦労するなんて思わなかった。
今までは身近にいる誰かと付き合ってきた。ルールなんてなかった。日々楽しく過ごせるだけでよかった。

出会いも自分から探さなければ生まれなくなっていた。
マッチングアプリ、結婚相談所、合コン、何でもやった。そのたびにルールが増えていくのを感じた。
最初3つだったルールが、今はいくつあるのかわからない。
勿論、これは私だけではないのだ。男性側にだってルールがある。
お互いの守るべきラインを守ることを大前提とし、その上で相性のいい相手を選ぶ必要がある。

相性って何?
何人と出会えば、私は相手を探し出せるのか。確率は?
今日も私は恋を始めに出かける。抱えきれないほどのルールを抱いて。
私の恋は、いつ始まるのかわからない。

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