同棲を始めて、お風呂からの異臭…彼はなぜ気づかない?
彼氏と同棲を始めた。「一緒に住みませんか」と言われた時、ようやくここまでたどり着けた、と胸がいっぱいになったのを覚えている。
このステップまで恋愛が進んだことが私にとって不思議なような、でも、この人と生きていくという勘がようやく現実になったんだな、とか、フワフワしていた。
同棲している友人の愚痴を聞いていたので、多少不安はあったが、喧嘩を一回もしたことのない大好きな人と、ネガティブな生活をいくら想像しても想像つかなかった。
実際、あんなにやる気の起きなかった家事が、彼がいるだけで頑張ろうと思う。彼も同じように家事を頑張っているのを見ると愛おしくなる。
ある日、私は残業で少し遅くなった。彼は「僕がご飯を作る」と言ってくれたのでお願いして帰宅。帰ってきて手を洗おうとした時、風呂場から下水のような臭いがした。
あまりに臭すぎて「臭い!」とブチギレる私。台所を見るとなんともない顔でフライパンを握る彼。コンロ周りは油が飛び散っている。
「風呂臭いんだけど!油飛んでんだけど!風呂臭いの気づかなかった!?」
私は思ったことをポンポンと言い放った。なぜおかしいことをすぐ連絡しないのか、私は好きなタイプを聞かれて「臭くない人」というくらいには臭いことが嫌いなので、信じられなかった。
油が飛ぶのは当たり前だが、とにかくムカついていた。
彼が隣室で仕事をしようとしているのを見て、少し冷静になった。彼に普通に話しかけると、少し笑みを浮かべながら無視してきた。プッツンと切れた。その日は二人とも無言だった。
おさまらないイライラと、ボロボロ溢れる涙
翌日、とにかく1日中イライラした。
なんで私が無視されないといけないの?嫌なことを伝えるのは必要だし、そのあと私は普通に接したじゃん!絶対私からは謝らない。もしそれでずっとこのままだったら、やっぱ人と暮らすのは向いてないな、別れないとな。
日中仕事をしながら彼に対する悪口がとめどなく脳内を巡った。
その日は彼の方が遅く帰ってきた。
「昨日はごめんね、おやつを買ってきた」と寄ってくる。こいつおやつで私を釣ろうとすんのか。なめてんのか。「うん分かった」と覇気のない声が私から出る。
「ごめんね、早くご飯作るね」
わざとらしくそのまま料理をする姿を見せつける。バーカ。もうお前とはやってらんねえ。そう思いながらにんじんを切る。玉ねぎじゃ無いのに、涙がボロボロ出る。
その様子に気づいた彼が慌てた。
「ごめん、ほんとごめん」
謝られると涙がもっと出る。
「意地悪言ってごめんね、でも無視されるのは嫌なんだよ」
いつの間にか謝っている私である。彼は私を抱きしめ「ごめんねごめんね」と泣き始める。一緒に泣きながら「なんであんなに怒っちゃったんだろう」と「やっぱりこの人が好きだなあ」と穏やかな気持ちになって二人でその日は早く寝た。
生理とうまく付き合ってきたつもりだったけれど…
翌々日、生理になった。
私は生理になると安心する。あのイライラする気持ちだけじゃなくて、腹痛も下痢も便秘も喉の痛みも、やっぱり生理のせいだった!よかった!となんでも生理に責任を押し付けることができるからだ。
今まで生きてきて、私は生理とうまく付き合ってきたと自負している。友人の前で不機嫌にはならないようにしたし、痛くなったら自分に合う薬もわかっている。だけど今回の情緒は大変に不安定であった。
翌月もまるで同じようにイライラと涙が止まらなかった。毎月同じことが繰り返されるのはしんどくて仕方なかった。今後を想像しても震えた。
意を決して、ストレスを穏やかにする漢方を取り入れることにした。正直、薬に頼るのは嫌だったのだが、翌月以降のことを考えるとさらにしんどくなったからだ。
今月も生理がくる。漢方を用意している今、怖いものはなにも無いと言い切りたいが、生憎、生理のカウントダウンに怯える毎日である。