子どもの私を抱き上げた太い腕、壁にも思えた大きな背中。あなたの言葉に支えられ、あなたの振る舞いに傷ついた。大人になった今振り返れば、やはり私にとって大きな存在だった父。今だから伝えたい「ありがとう」と、言えなかった「ごめんなさい」。そして……。短い言葉では言い尽くせない、父親に向けたエッセイです。

①「子供にそんな姿見せるなら別れろよ!」父親にそんな言葉をぶつけ、私は部屋に逃げた(実妃)

あらすじ)ケンカばかりの両親についに爆発、父にきつい言葉を浴びせた私。翌日は雨。傘を持たなかった私を迎えに、学校まで来てくれた父がいた場所は……。

②「俺にも経験あるから」。新社会人で休職した私を支えた父の言葉(緋音)

あらすじ)社会人になって1年目。うつ病、適応障害と診断された。実家で在宅勤務中に呼吸ができなくなった私は、父に助けを求めた。その父は、心の病気に理解がある人だった。

③最後の会話は「起きて待ってる」「車ひくなよ」急死した父に伝えられなかったこと(鰆)

あらすじ)テストの初日を迎えた月曜日。なぜか早起きをした父が、朝食に作ってくれた。半分食べ残して学校へ行き、家に帰ると、父はもうこの世を去っていた。

④お父さん、大人になったけど昔みたいに「泣く必要はー?」って聞いて(夏ノヒ)

あらすじ)働けなくなり、実家に戻った。父への向き合い方がわからず、再び家を飛び出した私。泣いていた子どもの私にかけてくれた言葉を今、言ってほしい。

⑤「肉体労働~。お金もらってダイエット(笑)」と前向きな父がいるから私も頑張れる(おまんじゅう)

あらすじ)小学校のときに転職し、観光バスの運転手になる夢を叶えた父。しかし、新型コロナの影響でダンプカーを運転するように。新しい職場でも父は前向きだ。

以上、父についてのエッセイの紹介でした。
「かがみよかがみ」では毎日、たくさんのエッセイを紹介しています。どのエッセイにも書き手の思いがいっぱい詰まっていて、きっと「これは私のことだ!」と共感できる1本があるはずです。ぜひ探してみてくださいね。
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