私は、生理が好き。

いくつになっても「生理ってめんどくさいよね~」と生理になると必ず誰かが口に出す。心の中では、「そんなことはないのに、私は生理が好きだよ」と思いながら、なんだか生理が好きな自分も好きで、友人の前では何も言わないことが多い。

私だけが知っている。私の生理。だって、この体は、私だけのもの。

小6の時に「初潮」を迎え、家族にお祝いされたことが嬉しかった

私が初潮を迎えたのは小学校6年生の夏で、トイレに行ったら下着に茶色い色がついていた。よくわからず、おばあちゃんに言うと「おめでとう」と言われて、その日は年下の従姉妹と赤飯を食べた。その時は出血や痛みもなく、生理ということが全然理解できず、お祝いされたことだけがただ嬉しかった。

それからしばらくして、学校で本格的な生理を迎えた。初めての腹部の痛み、自分の体が変化していくことに気持ちがついていけず、これからどうなるのかもわからずにナプキンを当てて、鎮痛薬を飲み、痛みがなくなるのをひたすら待った。

私の仲の良い友人は、もう生理が始まっていて、早く初潮があったことを恥ずかしく思い、ハンカチでナプキンを包み隠しながら人気のないトイレに付き添っていくことがあった。トイレの隅にある小さなゴミ箱がいつなんのために使われているのかも知らなくて、私も「こそこそナプキンを隠して人気のないトイレでナプキンを変えてみたいな」「大人だな、いいな」と思っていた。

いざ初潮が始まった時は、その腹部の痛みから「なんでこんな目にあわなくちゃいけないんだ」と思っていた。その当時は、まだ生理痛や生理にたいして恥ずかしいという気持ちが当たり前な環境だったと思う。

小学校で教えられてことも、今思えば教科書に書いてあることを先生が恥ずかしそうに話すだけで、何も頭に入っていなかった。

持久走大会の時、私は生理とともに生きていて、生理は楽しいと感じた

でもある日、生理に対する考え方が180度変わった。小学校の持久走大会の日、私は本番前に生理になった。「ついてないなー」と感じていた時に、クラスの男子に「5位以内に入ったら500円あげる」と言われ茶化されたのだ。

私は、普段の練習から後ろから数えた方が早い方で、男子もそれがわかっていたからからかわれた。適当にあしらうように「いいよ」と言うと大会が始まった。スタートダッシュとともに、「そういえば、今日生理」と走っていると気づいたのだ。

なんだかおかしくなってきて、「今日は、生理と一緒に頑張ろう」と思うとどんどん前の人を追い抜いて走った。「息は苦しいのに、なんだか楽しい」そんなことを考えて走っていると、母が木の影から私の走る姿を見に来ていた。恥ずかしさと嬉しさと「生理が来ている自分は、今日はなんでもできるぞ」という気持ちが湧いてきてとにかく、走った。

いつの間にか、私に向けて、先生や友達が叫んでいて、ゴールに着くと5位だった。初めての、5位の数字に胸が踊った。それと同時に、私は生理とともに生きているし、生理は楽しいと感じた。500円をくれると行った男子は、「1位じゃなかったからなー」と言ってお金をくれなかった。まさか私が5位になると思わなかったんだろう。

その日から、生理は、私の背中を押してくれるもので、勇気ややる気をくれる相方のような存在になった。事あるごとの大事な行事に生理が来ると「よし!生理と頑張るぞ!」と考えるだけで、いつもより結果が出て物事にやる気が出て、毎月生理が来るのが楽しくなった。

24歳で出産を経験し、私の体は「本当に素晴らしいな」と感動した

高校生になると、月によって痛みが強い時も出てきた。そんな時は、「今月は、機嫌が悪いんだな」と思うと人間や私と同じで、生き物みたいだなぁと感じて過ごしていた。

人間関係や家で嫌なことがあって、自分の価値がわからなくなった時に生理がきた。私しか味わえない痛みは、痛いから生きている実感にもなった。この痛みに男子は耐えられない。「私は、すごいぞ!」と言いながら過ごしていた。

ふと、私の体はこの生理が来なくなったら、赤ちゃんができるんだと考えると、ますます一人の体じゃないんだなと感じるようになった。いつか、本当に好きな人と出会って、その人の赤ちゃんが欲しいと思った時、そんな日がいつかやってきてその時は、生理は来なくて、お腹に命が宿るんだと考えるとすごく自分の体が恋しくなった。

私は、24歳で結婚し妊娠した。生理が来ない嬉しさを感じ、お腹の中に新しい命がいるのがとても嬉く、自分の体を大切にして本当に良かったなと感じた。いざ子供を出産すると、自分がこの世界に生まれてきたことや、旦那さんが生まれてきてくれたこと、私の子宮さんが頑張って赤ちゃんを守ってくれたこと。私の体は、本当に素晴らしいなととても感じ、子どもを産んだ日は、感動のあまり寝付けなかった。

生理は、年齢とともに痛みや私たちの気持ちに答えてくれなかったり、気まぐれだったりする。そんな表情豊かな生理は、PMSになると心とバランスが取れなくなって、付き合い方がわからなくなる時もあるけど、出産という幸せも運んできてくれる。

どんな時も、私が死ぬまで人生を共にしてくれる生理。生理とは、これからもいろんな感情を出しあいながら、生理が好きと思い続けられる秘密の関係を築いていきたい。