特集:コロナ禍の恋愛

マスクに隠れた恋の判断材料は顔以外。私は「中身」で勝負して負けた

コロナ禍の恋愛

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私は25歳の女。そろそろ結婚を意識する年齢だ。
「最近いい出会いはある?」と聞く親と「コロナ禍で出会いなんてあるわけないでしょ」という私の返答がお決まりのやり取りになった。
そもそも恋愛に意欲的でない私が、“外出自粛”の中で出会いなんてあるわけがなかった。

出会いはインターネット。電話のやりとりで”中身”を好きになった

……出会いなんて”あるわけなかった”日々は、ちょっとしたことで崩れ去った。私には好きな人ができたのだ。
出会いはインターネット。SNSでのやり取りから頻繁に電話をするようになり、知識の広さと聡明さに恋してしまったのである。電話でのやり取りばかりだったので、私は相手の”中身”を好きになったという自負があった。
何度か電話のやり取りをし、趣味がよく合うことが分かった私達は、一緒に出掛けることになった。いわゆるデートだ。
久しぶりの外出に向けてヘアメイクの勉強をし、服を揃え、“コロナ禍の外出”という罪悪感から目を背けた。
初対面にも関わらず、あまり緊張せずに会話ができた。相手も楽しかったと言ってくれた。
その言葉が嘘ではないことを裏付けるかのように、次、また次と、デートの予定は埋まっていった。

ただ、何度デートをしても、友達の一線を越えるようなセリフや行動はなく、いつも店が閉まる20時頃に解散していた。何度もデートをしているし、毎回6時間前後電話をしているような仲だから、相手が奥手なのかもしれないと思うようにしていた。

私からの告白に悩む相手。マスクで隠れた表情から悟った相手の考え

数回目のデートの帰り、私は意を決して想いを伝えた。すると相手は、悩むそぶりを見せた。心臓が物凄くドキドキしているのを感じた。
実際の時間はどれくらいだったか分からない。でも私にとってはとてつもなく長く感じる時間、相手は「ん~…」と悩んでいた。
“目は口ほどに物を言う”とは良く言ったもので、私はマスクでほとんど隠れた相手の表情から相手の考えを悟った。
「……私のこと、恋愛対象として見れないんですね」
相手は明確な肯定こそしなかったものの、どうやらそういうことらしかった。好きになれないなら仕方がない。
こうして私の数年ぶりの恋愛は幕を閉じ、“出会いなんてあるわけない”日々に戻った。

恋愛というものにはさほど興味がないため、「彼氏ができない」という事実は大して気にならない。ただ、「好きな人に好きになってもらえなかった」という経験は、私の心に大きな傷を付けた。

マスクに隠れた恋の判断材料は顔以外。私は“中身”で勝負して負けた

相手との会話はほとんど電話だったし、直接会ったときもマスクをしていた。だからお互いの判断材料は必然的に会話内容、話し方、性格が大部分を占めていたはずだ。
つまり私は、“中身”で勝負して負けたのだ。「私の顔が好みじゃなかったのかも」という自分への言い訳が通用しない。
まるで自分自身を否定されたようだった。これがコロナ禍の失恋の怖いところだと感じた。
さらに、私の周囲ではコロナ禍の結婚が多かった。ざっと思いつくだけで8組は結婚した。
「結婚」とはつまり、私が望んでも得られなかったものの先にあるステージだ。今まで結婚なんて全く興味がなかったのに、失恋を経てしまってからは羨ましくて仕方がなかった。
本当は結婚した人たちにも様々な経緯や事情があるのだろうというくらいの考えは及ぶ。
しかし、しばらく友人にも会えていなかったために、ただ「幸せな新婚さん」という表面的な情報しか見えなかった。身近な友人が好きな人と永遠を誓いあう中で、私は好きな人に好きになってすらもらえなかったんだなぁと落ち込んだ。

「好きな人に好きになってもらえない」
そんなよくある失恋の悔しさが、コロナ禍で増幅するものだとは夢にも思わなかった。

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