メイクは私にとって自信の無さを補ってくれるエナジードリンクみたい

休日。友達と女子会をする前、彼氏と会う前。わたしは、鏡の前に立ち、本気でメイクをする。
ニキビの跡を隠してくれるコンシーラー。
低い鼻を高く見せてくれるハイライト。
平坦な下瞼をぷっくりさせてくれるキラキラのアイシャドウにダブルラインフェーカー。

薄っぺらくて、ニキビだらけで、不細工なわたしも、文明の利器イコール最新のメイク用品を駆使して、自分の欠点を隠し、最後に赤いリップをひと塗り。鏡の前で、微笑めば、なんだか可愛い今風の女の子だ。

仕事で失敗しても、恋人と喧嘩して憂鬱な日でも、メイクはわたしに自信と余裕を与えてくれる。
メイクは私にとって、自分の自信の無さを補ってくれるエナジードリンクみたいなもんだ。

「自分の中の女」を武器にしないため、仕事場にはすっぴんで行く

変わって、仕事場には必ずすっぴんで行くと決めている。
なぜなら、メイクをするとなんだかテンションが上がり、自分の中の女を出してしまうことがあるからだ。女を武器に仕事の手を抜いてしまうことがあるからだ。
例えば、重い荷物を持たざるを得ないとき。
例えば、たくさんの業務を同僚に押し付けられたとき。

メイクをしているとわたしは、男性に「重たい荷物を持つのを手伝ってください」「こんなに、1人で出来ません。助けてください」と甘えたり、頼ったりしてしまう。
そして、後悔するのだ。

わたしの会社は男女平等を謳っており、男性、女性で業務内容や給料に差はない。それなのに、自分の性別を武器に男性に頼るのはおかしいと思うから。
男女では、体格も違うし、べつに頼ったっていいじゃないか、しょうがないし男性も頼られて嬉しかったりするしいいじゃないかという意見もあるだろう。

けれど、わたしは男女平等を求めるなら、男性に対して、女性へのセクハラをするな、女性にお茶汲みを求めるなと主張するならば、女性もそれなりの働きをしなければならないと思っている。男性と同じ働きをしてこそ、同じ給料と仕事を貰えるのだと思っている。
だから、女を武器にしないって決めている。

仕事の時はすっぴん、休日は本気メイク。私とメイクの適度な距離間

女を武器にしないために自分への勝手な戒めとして、仕事の日はメイクをしないことにしている。
代わりに、彼氏とのデートや友達との女子会のときは、本気でメイクすることにしている。
デパコスを用いて下地から時間をかけて、じっくり丁寧に自分を女の子らしく可愛く魅せる努力をする。

そうすると、普段メイクしてない分、休日は自分のすっぴんとメイク時の差を感じ、自分がとてつもなく可愛い女の子になれた気がして気分が上がり、とっても楽しい。
そして、女の子という性別を本気で楽しむことができる。気がしている。

わたしにとって、メイクとは女らしさ、可愛らしさの象徴であり、努力によって手に入れた技術であり、休日のみに許された至福の時間である。
メイクはわたしをとびきり可愛くしてくれるけど、わたしをあざとい女にもしたりする。
だから、仕事の時はすっぴん、休日は本気メイクという、適度な距離を取ることで、メイクを本気で楽しんでいきたい。