私のメイクデビューは遅く、大学生のときだった。

高校は別にメイク禁止でもなんでもなかったけど、進学校だったからか、なぜか誰もメイクをしている人がいなかった。一人だけすると悪目立ちしてしまうのでできなかったのだ。それが本当に苦痛だった。高校生の頃、本当はずっとメイクをしたかった。

高校時代、ひどい肌荒れに悩まされ「自分の顔」が嫌いになった

体質なのか、中学生くらいの頃からひどい肌荒れに悩まされていた。ニキビが一つできると気になって触ってしまう。その繰り返しで、どんどん増えるニキビ。どれだけ時が経っても悪化する一方で、ちょっと病気なのではないかというレベルでひどい肌荒れだった。

「若いうちに化粧しちゃうと将来の肌に響くよ～！」という周りの大人や、同級生たちの声が煩わしかった。将来に至る前に、今この瞬間の肌に困っているのだ。大人がニキビやシミを隠したいのと同じように、私だって今すぐこのひどい肌荒れを隠したい。

今でこそSNSでいろんな人の肌荒れ処置法や救済アイテムを調べることができるけど、当時はどうしたら良いか全然わからなかった。皮膚科の薬も全く効かない。毎日毎日、鏡で汚い肌を見て、ただでさえ好きじゃない自分の顔が嫌いになる一方だった。

大学生になり、綺麗な肌へ近づくため、少しずつ「メイク」を勉強した

大学生になり、やっとみんなが当たり前のようにメイクをしている環境に入ることができた。やっとメイクできる！ 初めてなのでやり方も何にもわからなかったけど、雑誌を読み込んだり、友人から助言をもらったりして少しずつメイクを勉強した。

いきなりファンデーションはハードルが高いなあと思っていたところ、「BBクリームいいよ～下地もいらないし、肌への負担も多少軽く済む」と友人に教えてもらい、めでたく念願のベースメイクデビューを果たした。

これが本当に良いことづくし！ ニキビの凸凹は隠せなくても、赤みは隠せるだけで肌荒れ感がいくらか少なくなり、鏡で自分の顔を見るたびに嫌な気持ちになることが減った。さらに、ニキビが気になって触ってしまう頻度も激減したので、肌荒れ自体も少しずつ良くなっていった。

肌のことだけをずっと気にしていたけど、アイメイクもリップもチークも、顔を彩り華やかにしてくれる素敵なアイテムだと知った。まぶたをキラキラさせたり、唇をぷるぷるにしたり、季節に合わせたカラーを選ぶのも楽しくて、メイクをしている時の自分の顔は少し好きになれた。

アラサーになった今も、自分が「可愛い」と思うメイクを楽しんでいる

もう社会人6年目になったけど、朝仕事に行く前にメイクする時間が大好き。どんどん可愛い自分になっていく過程は、毎朝見ててもいまだに飽きない。

社会人になってからは、メイクにかけられるお金が増えたことと、SNSで美容情報がたくさん出回るようになったことで、メイクへの興味もさらに増した。特に美容系のYouTuberでメイク紹介を見るのが大好き。買う前に気になるアイテムの情報をもらえるだけでなく、有名人がどんどん可愛くなる過程をタダで見せてもらえるなんて、いい時代になったもんだ。

私ももう27歳、アラサーと呼ばれる年齢になった。通常、歳とともにメイクも変えていくものだと思うけれど、私はあんまり気にせず好きなアイテムを使っている。社会人6年目なのに、いまだに大粒のラメをまぶたにのせて、少し派手な色のリップで唇をつやぷるにして出勤している。

せっかくメイクのおかげで自分の顔を少し好きになれたから、どうせなら自分が可愛いと思うアイテムを、これからも思う存分楽しんでいきたい。