女として生まれて28年。このぐらいの年齢の女性だったら普通、化粧を毎日して仕事をしているのだろうか。

私はいわゆる、下地を塗って、ファンデやBBクリームを塗って、チークやアイメイクをして……といった一連のメイクが億劫すぎて、社会人になった22歳からほとんどメイクをせず28歳になった。

多くの女性がメイクに対して熱心なのに、私はメイクをすきになれない

なんで他の人、Youtuberや雑誌やら、メディアで発信される女性はメイクをこんなにも熱心に追求していられるのだろうか?

私は1にも2にも3にも、めんどうくささが勝ってしまう。そして、顔に異物を載せているあの感じがめっぽう苦手で、とくにコロナが流行してからマスクをすると、マスク内に充満するファンデの匂いにクラクラして、このマスク状態であるうちは「化粧なんて意味無し!」と判断し、メイクらしいメイクはさっぱりしていない。

とはいえ「まったくのすっぴん」で過ごしているわけではない。洗顔の後は、化粧水と保湿クリームと、トーンアップ機能のついている(大事)日焼け止め、そして皮脂コントロールのパウダーで終わり。週末お出かけするときも基本これ。女友達と外出するときは、申し訳程度に化粧をする。自分だけ化粧をしていないと、気後れしてしまうから。

どうしてこんなにも、メイクを好きになれないのか……。私がひねくれている? 怠惰すぎ? 他人の目をもっと気にしたほうがいい?

すっぴんが自然の状態なのに、恥ずかしいと思ってしまうのは悲しい

思えば七五三のときにしたファンデや口紅の匂い、肌に何かがくっついている感じがものすごく嫌だった。泣いて嫌がり、ずっとムスッとした表情。写真撮影のあとに化粧を落としたら、「やっと笑ったね」と言われたのを覚えている。

高校でアメリカに留学したとき、現地の女の子達はみんな化粧をしていたし、化粧をするのが当たり前だったから、「異文化理解」もかねてメイクをしていたし、大学に入ったときや就活のときもしていたけれど、結局いつも後半はメイクをしなくなっていた。

素朴な思いとして、自分自身が「化粧をした顔」に見慣れてしまうと、化粧を落とした時の顔が「なにか足りない」って感じてしまうのが嫌だなと感じている。化粧をしていない顔が自然の状態なのに、その自然体の顔が「なにか足りない」「みっともない」印象になって、「恥ずかしい」と思ってしまうなんて、なんだか、少しさみしい。悲しい。

どうして女性は、「化粧をしないと失礼」って思われてしまうんだろう

自分よりも年上の、いわゆる「おじさん」がすっぴんで仕事しているのをマナー違反だなんて言われないのに、どうして女性は、化粧をしないと失礼って思われてしまうんだろう。女性にもっと、化粧をしない自由があるといいなって思っている。

化粧をせずとも、「みっともないかもしれない」なんて全く思うことなく友達と会い、働き、結婚式にだって堂々と出席できるなんて。男性が羨ましい。

日々、メイクをせずに職場に行ったり、リモートで社外の人に会っているけれど、今の所、「営業なんだから化粧をしなさい」などと言われたことはない。もしかしたら人はそんなに化粧について気にしていないかも? それとも、もはや見放されているのかも?

化粧をしなかったらしなかったでいらぬ心配をしているけども、何も言われないのをいいことに、一体何歳まで化粧をせずにいられるか、実験もかねて日々働いている。

本当は「実験」だなんて言い訳や、後ろめたい気持ちもなく、化粧をしないで日々過ごせるようになればいいんだけどね。