第一志望で入った高校は、男女比が3:7だと聞いていた。つまり、ほとんど女子。
だから、高校で恋愛はできないだろうと思っていた。
でも、その私の思いはとんでもない結末を迎えることになる。

始業式、教室に入ってきた彼。仲良くなりたくてしょうがなかった

始業式の日、クラス発表をされ、教室に向かった。私が教室に入ったときはまだあまり人がいなかったので、私の後で教室に入ってきた人のことを一人一人品定めしていた。
この子は気が合いそう、この子はちょっと気が強めかな。

そんな時に、彼に出会った。彼が教室に入ってきたとたん、直感で「この人かっこいい」と思った。短髪の爽やかな雰囲気。背はあまり高くないけれど、150cmの私からしたら十分。少し目が細めの顔で、鼻が高かった。
私は彼と話したい、仲良くなりたいと思ってしょうがなかった。

それからしばらくして、私は彼と話せるようになった。何人かの男女グループが同じクラスで誕生し、その中に私も彼と私がいたからだ。
話せば話すほど、彼のことが気になっていった。彼は無意識なのか分からないが、スキンシップも多かった。そんなことに全く慣れていない私は、彼に触れられるたびに心臓がキュッとして、ドキドキしてたまらなかった。

そして、時間が経つにつれ、彼も私のことが好きなのでは?と思うようになった。
スキンシップが私にだけやたらと多い。よく笑いながら話しかけてくる。ほかにももしかしたら?と思うことが多かった。友達にも、「彼あなたのこと好きなんじゃない?」と言われたほど。

告白してこない彼に思い切って告白。返答のかわりにされたキス

でも、なぜか彼は告白をしてこなかった。だから、やきもきしてたまらなくて、こっちから気持ちを伝えに行こうと思い、学校の誰もいないところに呼び出した。
「あのね、好きなの。あなたも好きでしょ?」
すごい今思えば勇気のある行動。

すると彼は、なぜかその答えに返答しなかった。だけど、いきなり壁に押されてキスをされた。

どういうことか分からなかったけど、もちろん好きな人だったから拒否はしなかった。
キスをした後しばらくたわいのない話をしていたけれど、好きに対する返事は来なかった。そして下校時刻になり、学校を出て、お互いの帰り道で別れた。

帰り道で私はキスされたドキドキと、混乱で頭がいっぱいだった。
「これは付き合ったってこと?彼は付き合おうとか言ってこないタイプだったのかな?」
今思えばそんなわけないのに、そのときはなぜか前向きだった。

しかし、次の日の学校でも、その次の日でも、特に彼の私に対する態度は変わらなかった。
特に連絡をしてくることもなかったし、帰りに一緒に帰ろうとか、そういう恋人らしいことをしてこなかった。
私は彼が何を思っているのか分からなくなってしまったけど、なぜか「付き合ってるの?」とは聞けなかった。こういう付き合い方もあるのかな、とか思っていた。

ホワイトデーには手作りのチョコレート。本命チョコに嬉しくなった

その後、高校1年生の時にもう一回だけ二人で会ってキスをした。そのときも付き合っていると思っていたから、特に何も違和感はなかった。
また、ホワイトデーには手作りのチョコレートをもらった。オランジェットという、オレンジにチョコレートをつけたおしゃれなお菓子だった。
すごく、嬉しかった。手作りまでしてくれて、本命チョコをもらったと思っていた。

しかし、だんだんと彼に不信感が出てきた。
なんで何も言ってくれないのか、普段は恋人らしいことをしてくれないのか。

そうこうしているうちに時がたち、高校3年生になった。そして、新しい好きな人が私にできた。

他の人を好きになって、彼への気持ちは一気に冷めた。でも、付き合うときもなにも言わなかったからと、別れるとは言わなかった。段々と距離を離し、疎遠にしていった。
ここまでで何で付き合っていることを確認しなかったのか、自分でも本当に分からない。
どこかで確認したら「付き合ってない」と言われるんじゃないかと怖くなっていたのかもしれない。

そして、真実を知る日が来た。その日、私は受験生だったので塾で勉強をしていた。すると、一通のlineが友達から来た。

ずっと一方通行だった気持ち。自分自身に伝えた「今日は、泣かせて」

「ねえ知ってた?あなたのまえ好きだった人、〇〇ちゃんと高校一年の時くらいに付き合ってたんだって」

心臓が、ドクンとした。

え?付き合ってた?私じゃない人と?
私は彼からしたら浮気相手だったってこと?

一気に心臓の音が大きくなり、塾の自習室で周りにばれないように泣き崩れた。

私の気持ちは、ずっと一方通行だったんだ……。

その日は全く勉強に身が入らず、早めに帰ったと思うけど正直どんなことをしていたか覚えていない。
家に帰っても勉強なんてできなかった。私は、自分を慰めるために、こう言った。
「今日は、泣かせて」