2020年7月、コロナ禍の真っただ中。わたしは大きな決断をした。長年付き合ってきた彼と、ついに結婚することにした。

ずっと一緒にいるけれど、一緒に過ごした時間は短かったように感じる

2010年、わたしたちは高校の同級生として出会った。3年間、クラスは違ったけれども電車や廊下で見かける彼が気になって、共通の友だちを通じてメールするようになった。

見かけるたびに嬉しい気持ちになったこと、他の女子と話している姿を見てもやもやしたこと(まだ彼女でもないのに)、いまでも鮮明に覚えている。

1年半のメールと2回のデートをして、わたしたちは付き合うことになった。わたしにとっての初めての彼氏だった。恥ずかしい気持ちとふわふわした気持ちが入り交じっていた高校時代は、あっという間に時間が過ぎた。

社会人になると、時間のすれ違いが増えた。土日休みの彼と平日の不規則な勤務のわたし。社会人になり出会いや人脈も変わり、不安がなかったわけではない。ただ、彼への信頼と、知らない方がいいこともある精神でいろいろな嫌なことを疑うことはしなかった。

社会人になってから数年が経ち、遠距離恋愛もした。会いたくても会えない日々が続き、寂しかったけれど、毎年年末に彼と旅行へ行くのが楽しみだった。唯一、数日間一緒にいられた年末旅行。わたしたちの大切な時間だった。

こうして振り返ると、一緒にいられた高校時代はもじもじしていたし(恥ずかしさのあまり、積極的にはなれなかったわたし)、社会人になってからは会える時間が限られていたし、ずっと一緒にいるけれど一緒に過ごした時間は短かったように感じる。

彼の転勤が決まり、同棲もしたことないのに「結婚」することになった

そんな中、世界が変わった2020年春。彼の転勤が決まった。それまでも遠距離恋愛だったけど、さらに遠くの地へ旅立つことになった。

「わたしもついていってもいい?」。まだ一緒に住んだこともないのに。わたしたちは結婚することになった。初めての地、初めての同棲。コロナ禍で移動がままならないなか、彼だけが味方の世界へ飛び込んだ。

結婚生活を送り、1年が経つ。息抜きがうまく出来なくて、心が苦しくなったこともある。自分の時間を大切に出来なくて、どうしてわたしだけ? と心を閉ざしてしまいそうになったこともある。

だけれども、わたしはずっとこの人と一緒になりたかったんだ、と実感している。食後のコーヒーをふたりで飲む時間なんかは特にそう感じている。休みの日にどこに行こうか計画を立てているときも、一緒に朝ごはんを食べているときも、ささやかな幸せが日々詰まっている。

コロナで不安な状況を共に過ごしている彼となら、前に進める気がする

思うように帰省が出来なかったり、会いたい人に会えなかったり。そんな日々はもう少し続くと思う。そんないまだからこそ、彼と過ごせる「当たり前の日常」が幸せに感じられるのかもしれない。

不安な世界の中、いまを乗り越えられている彼となら、これからも前に進める気がしている。わたしたちの恋愛はまだまだ続く。コロナ禍を超えて、どんどん大きなものに成長していくと思う。

小さな「好き」や「幸せ」を重ねて、これからもふたりの恋愛を続けていきたい。