男女の体や生理についてふざける男子。保健体育の授業が苦手だった
小学生五年生ぐらいのこと、保健体育の授業が苦手だった。父に、「保健体育の授業がある」
と言ったら、「すけべだな~」と言われたのがきっかけだった気がする。
それともうひとつ、私の学校では、男女一緒に保健体育の授業を受けることになっていたのだが、教科書に載っている男女の裸体を見る時に、女性の体つきについて先生が話していると、男子が私の体をじろじろ見てくるのだ。
当時私は、他の女の子たちよりも体の発達が早く、高校生に間違われることもあった。裏でコソコソ話をしているのが聞こえて恥ずかしかったし晒し者にされているようで、居た堪れない気持ちになった。先生に相談しようにも、自意識過剰と言われるのが怖かった。
男性の体つきについて話しているときも、男性の裸体をじろじろみたり、先生の話をしっかり聞いていると「変態」といわれるから、女子のみんなは顔を背けたり下を向いたりして避けていた。
それから、生理ナプキンや月経のことを男子がふざけるようになった。ナプキンのコマーシャルを歌ったり、生理と思わしき女の子に「生理がうつる」と騒ぎ立てたりしていた。
先生も、それを注意しないどころか、「じきに治まるよ」と言って放ったらかしにしていた。
私は、昔のように男女別に保健体育の授業受けていればよかったのにと思っていた。
恐ろしかった。この国の性教育のレベルの低さに
中学にあがった頃も、保健体育の授業があって、コンドームや性病について学んだが、性行為には触れられなかった。
そんな、ときに事件が起きた。
近所に住む幼なじみが「SEXしたい」と言い出したのだ。
私は彼のことが恋愛的な意味で好きじゃなかったから断ったけど。
「大丈夫。大人たちは、愛がなくてもできているよ。風俗嬢とか。聖花の歳で、売春している子もいるし大丈夫だよ」
「いや。お仕事でするのはまた別だしリスクがあるから」
「コンドームは、持ってないけどなんだったっけ……ピル?を飲めば大丈夫でしょ」
「ピルにも、副作用があって、吐き気とか胃のむかつきとかが出るから嫌」
「うるさいなぁ。さっさと脱げよ」
怖くなった。今まで、一緒に過ごしてきた幼なじみが急に獣になったみたいで。
恐ろしかった。この国で教えられている性教育のレベルの低さに。
その場は、何とか乗り切ったけれど、危うく自分の体を傷つけるところだった。
大人たちは、きちんと伝えなくてはいけない
男女の体のつくりや成長したらどうなるのかなんて、この世界には男女両方の体が存在しているから、同じ世界で生きるには知っておかなければならない。
生理は、女性の大切な体の働きだし、生理ナプキンも、そんな女性の体の働きに欠かせないものでふざけるようなものでもない。
性行為についても、正しい知識がないから避妊なんてできるはずがない。仕事のためにする人と一般人の人との性行為を同じにしてはいけない。
ピルの副作用だって知っておかねばならないし、自分が避妊したくないからって相手にリスクをおわせるのも違う。相手が「NO」といったらその時点で性行為は、やめなければならない。
そのことを、大人たちが伝えていないから、望まない妊娠が増えてしまうのではないか。
「寝た子は起こすな」ということわざは、性教育に取り入れてはいけない。