「9年連れ添う旦那に今でも恋し続けている理由を3つに絞って挙げてみた。」
私は恋愛に憧れていた。
小さい頃から少女漫画雑誌で構成されていた私の頭の中は、いつ愛し愛される日が来るのかとわくわくしている女の子だった。
1番目に好きな人、2番目に好きな人……と密かにランクづけしてしまうような恋愛に脳のスペースを奪われていた私。
けれど、たとえ誰かとお付き合いしても長くは続かず、むしろ途中で相手の好意を気持ち悪いとさえ感じてしまうこともあった。
逆にこちらがどんなに相手を好きでも、妹のような感じだと思っていたと、振られたこともある。
こちとらいい感じだと思っていたのに!
人生とはうまくいかないもんだ。
3ヶ月で別れるという周りの予想を裏切って結婚し、今も旦那が大好き
大学生になった春。放送研究会のサークルに入った。
1年生の出し物である映像製作中、入会してから一度も顔を出さない幽霊サークル員がいた。
それが今の私の旦那である。
旦那とはその年の秋頃までほとんど喋らなかった。なかなかサークルにこないし。かっこいい人だとは思ってたけど、なんだか口数が少なく話しにくい人だなーと感じていた。
しかし、音楽の趣味が合うことがわかって以来急激に距離が縮まり、あっという間に付き合うことになった。
私たちはお互いに今まで会ったことのないタイプの人だったので、とにかく喧嘩が多く、周りからは3ヶ月で別れるだろうと予想されていた。私達は正反対すぎる、らしかった。
しかし、そんなサークル員たちの予想を裏切り、1度も別れることはなく、私達は付き合って5年のタイミングで結婚した。
そして約9年経つ今、私は旦那のことが大好きなのである。なんなら前より好きなのである。
論文が書けそうなほどある旦那の好きなところを、3つに絞ってみた
その理由を全て挙げようものなら論文が書けてしまいそうな気がするが、ぐっと堪えて3つに絞って考えてみた。
【1.旦那の匂いが好き】
よくある話だが、私にとってはこれはとても大事なこと。
旦那は香水をつけない。私は彼の人間的な匂いがとても大好きなのである。枕をかじりたい。
私が前に付き合っていた彼氏は、部屋からも本人からも牛丼屋のカレーの匂いが染みついている人だった。もともと彼の匂いが好きだったのに、それは香水の効力だったと気づく。
むしろ本人は無臭で、その香水が販売終了して以降、カレーの匂いを四六時中纏っている……みたいな人だった。四六時中カレーの匂いを纏っているという自覚がありながら、なんとかしようしてくれなくなったことこそが嫌だったのかもしれない。
【2.教養】
旦那は博識かつ、好奇心の固まり。雑学王。
なんでそんなこと知ってるの?と思ったり言ったりすることが多々ある。
なのに物知りぶらない、知らないということを馬鹿にしない。
これは大きな要素で、結果的に信頼や尊敬につながり続けていると思う。
凄いなぁ、かっこいいなあ、見習いたいなぁ、と思える人がいい匂いを纏って横にいる。
とても、とても尊い。もはや旦那のようになりたいとさえ思うこともある。
【3.寡黙なのに、予想外の発言があること】
旦那と私は1:9の割合で会話している。
旦那は普段全然喋らない。けれど、たまに衝撃発言をすることがある。
付き合っている頃、私が「運命かな、運命の人だといいな」とぼやいていたら、「運命の人とか信じないんだよね。でももし運命の人でなかったとしても、運命の人に変えてみせるよ」と言った。
嬉しくて、言葉が出なかった。
夫婦になっても、予想しない角度から言葉をくれる旦那に恋している
私が「好き!」とメールで言えば、
「○年刊行、舞城王太郎の小説のタイトルで返すことにするね、気になるようなら調べて」と返信がくる。
すぐ調べた。この時ばかりは行動力の鬼だった。
本のタイトルは「好き好き大好き超愛してる」だった。
嬉しくて、私はまた言葉が出なかった。
私の考えもしないような角度で、思いもよらない言葉をくれる旦那に、何度も射抜かれた。
友人は回りくどい人だねと笑ったけど、私は楽しくて嬉しくて仕方なかった。
夫婦になった今でも、予想しない角度からくる旦那の言葉が好きだ。
普段寡黙な分、旦那の言葉を一言も聞き逃したくないと思い続けている。
結婚しても、過ごした時間が長くなっても今でも旦那に恋し続けている。
だから私は今日も旦那の枕をかじりたい。