当時の中学2年生の私は、勉強が嫌いで何も考えていなかった女の子。
特にやりたいこともなく、趣味もない。好きな芸能もいない。
友達は、浜崎あゆみが好きなギャルの友達。私は、ギャルもどきだった。
あの頃に戻ったら自分の個性で学校を選びたい。

友達との毎日が楽しくてやりたいこともなく、入れそうな高校を受験

ギャル仲間の鉄板の会話はもちろん恋愛の話で持ちきり。
頭の中は、恋をすることでいっぱいになり、頭の中がピンク色で溢れていた。
私の通っていた中学は、カップルが下校するだけで、友達たちが後ろからこっそり後をつけて楽しむという可愛い付き合い方しか知らない純粋さがあった。
友達とワイワイ流行りのドラマについて語り、踊っているだけで毎日が楽しかった。
受験なんてなにも考えてなくて、ただ学校に通って友達と遊んで男の子に恋をすることが唯一の楽しいことだった。

特にやりたいことが、何もなくて勉強もしなかった私は、都内でも入れそうな高校を親に紹介され、学校見学も一度もしたこともない高校を受験した。
「まぁ、高校なんてどこでもいいや」
そんな考えであっさりと決めてしまい、見事合格してしまった。
今思えば、慎重に考えればよかったな。と後悔もしている。

厳しい校則、退屈な学校生活。他校の子を見て、自分が惨めに思えた

私の高校は、家政科だけが女子クラスだったが、他クラスは、男子もいる共学だった。
家政科なんて入ったものだから料理をすることも多く、普段、料理もしたことがなかった私は、クラスの落ちこぼれだった。
もちろん校則も厳しく、黒髪、スカートの丈の長さ、色の指定の靴下。
周りを見ればおにぎりの生産工場みたいで、個性もなくみんなが同じに見えた。
そんな光景を見て、毎日「退屈だな」と思いながら学校生活をなんとなく過ごしていた。

朝の登校時、いつも利用している駅で私服が自由な高校の女の子が、髪をピンクに染め、誰とも被らないスカートやズボンを履いて友達と待ち合わせしている姿があった。
お互いの服装を褒めあう姿を見て、彼女達がいきいきして存在自体が眩しかったのを思えている。
同い年の女の子が、好きな洋服を着て好きな髪色にしてお洒落をして楽しんでいる姿。
個性が眩しくて嫉妬心を覚えた。
その存在感は、私の心を初めて乱した。
自分の制服を見ると、「なんでこの制服を着ているんだろう?」と思い、自分が惨めに思えた。

女子ばかりの家政科にひとり入学した彼が、いきいきとしている理由

私が、高校2生になり先輩になった頃、新入生の学年に家政科クラス初めての男子がひとり入学してきた。
初めは、「なんで家政科は女子しかいないクラスなのに選んだんだろう?」と思っていたが、廊下ですれ違う彼の姿は、わたしの想像を超えて、いきいきとしていた。
クラスの女子と肩を並べ、楽しく女子と会話している姿を見たからだ。
先生に彼の志望動機を尋ねると、「料理が好きで、女子クラスでもいいから将来は料理に作る仕事に付きたいから選んだそうよ」と教えてくれた。

性別関係なく、好きなことに対しての個性は誰にも負けないんだ。
自分が、周りにどう思われても気にしなくてもいいんだ。
自分が、他人軸で物事の好きかもや高校も友達も選択していたことが多かったことを思い出し、これからは、自分軸で、好きを感じて見たい。そう思った。
私にしかない個性の見つけ方がきっとある。
友達から好きな音楽を紹介されてなんとなく聞いても共感できないように。
自分でふとこれだ!とテレビで流れる音楽でときめいた音楽が、周りで好きな人がいなくても。
それでも私は、このアーティストが好き!
そう思えることが、自分で見つけた個性の見つけ方と好きのみつけかた。
その好きの気持ちの個性を大事にとって置くことが、未来のわたしへのご褒美につながる時がくるかもしれない。
だから私は、いろんな選択肢を自分の心に問いかけて、これからも物事を選んでいく。
どんなこともワクワクしている自分の姿を想像して欲しい。
だって、わたしの好きなことは、他の人にはわからないことだから。