元気が出ない日の朝は、ドーナッツを食べていいことにしている。
今朝は何を食べたい?の問いに「ドーナッツ」を選ぶことがある
「お米みたいなもの」と強引すぎる理屈からお煎餅2枚で朝食を済ませていた大学生活から一転、仕事を始めてからはしっかりと朝食を摂るようになった。
大学時代よりも頭も体もエネルギーを消費するようになったからだろう。燃費が良すぎる体は正直だ。エネルギーが不足するとお昼前にはクラクラしてしまうし、仕事柄、休憩時間は11時から15時まで定まらない。
何時に昼食を食べるにしても体力と気力が保つように、意識してきちんと朝食を摂るようになった。
それでも、起きたはいいが食欲がない日というのがある。それもごく稀にではなく、わりと頻繁に。気圧や天候、ホルモンバランスや精神状態に心身ともに振り回されがちなものだからどうしようもない。
そういうときはベッドの上で横たえたままストレッチをしながら自分に問いかける。
「今朝は、何を食べたい?」
普段はその前の晩に下ごしらえを済ませたお弁当のおかずの切れ端や、卵かけごはんとお味噌汁が多い。でも、どうにもこうにもいかない日はドーナッツを食べていいことにしている。
甘いものは急に血糖値を跳ね上げるから、あまり好ましくないことは承知の上だ。その上で、なお選ぶ。体の健康と心の健康を秤にかけて、心の健康に重きを置くべきだと判断したら迷わずに。
甘いドーナッツを咀嚼しながら考える時間は、ウォーミングアップだ
そういう日のために、いつも冷凍庫にはドーナッツを常備しておくようになった。電子レンジで僅かに温めるもよし、その後にカリッとさせたほうが美味しいものはトースターでさらに温めるも良しだ。
それでもなんとなく罪悪感は残るから、そういうときのために休日には野菜スープを作りだめしておくようになった。
ジップロックに入れて凍らせたスープをパキパキと割って、こちらを先に電子レンジで温める。その間に支度を済ませ、スープとドーナッツを入れ替えて、すべてが整ったところで朝食が始まる。
その頃には頭がすっきりしてきて仕事モードになっている日もあれば、それでもやはり頑張れない日もある。そういうときは、甘いドーナッツを咀嚼しながら考える。
今日最低限やるべきこと、今日やらなくても良さそうなこと、家に帰ったらやりたいこと。
朝のその時間が、わたしにとってウォーミングアップになるのだ。
そうして朝はなんとか切り抜けても、仕事終わりには心がクタクタになっている日もある。他人の人生を扱う仕事はいつも重い。そんなときはまた自分に問いかける。
「夜ごはんは、どうしようか?」
体の健康より心の健康のほうが大事。自分を大事にする暮らしをしよう
夜は食べ過ぎないほうがいいことなんて分かっている。脂っこいものやジャンクフード、アルコールや甘いものは極力避けたほうがいいことも。
けれど、どうしようもなく激辛ラーメンが食べたい日やファストフードのポテトが食べたい日があるのだ。
コスメや入浴剤など、食べ物以外の誘惑を己にチラつかせてみて、食い付いたらそちらへ。それでも収まらないときは、それが必要なときと割り切ってしまうことにした。
心の健康には変えられない。迷ったら体に良いものを。なるべく野菜やタンパク質をセットにして控えめに。
それでも体の健康より心の健康のほうが大事だ。ご飯を作るのは嫌いじゃないし、食べることは好き。丁寧な暮らし、はできないけれど、自分を大事にする暮らしはできる。そんなふうに思う。
寝て、起きて、働いて、寝て、起きて。たまに休みながら、日々はひと続きになっている。
だめな日も上手くいった日も、振り返ったときにいつか等しく愛していたい。
だから今日も憂鬱な朝は自分に問いかけるだけだ。
「今朝は、何を食べたい?」