私は現在、女子大学に通っている1年生だ。
共学の方がいいのか、別学の方がいいのか。女子大に通っている私はどちらにも良い点、悪い点があると考えている。

「自分は男しか愛せない」。同じ美術部の男子は私たちに打ち明けた

高校受験の時、将来は福祉か保育の職業に就きたいと思い、専門的なことを学べる高校に進学することを決めた。普通科は女子のみだが英語科は共学であったため、共学なのか女子校なのかはっきりしない学校だった。
けれど、普通科だった私はほとんど女子校だと思っていた。なぜなら英語科は共学だが、私たちの学年では男子がたったの2人しかいなかったからだ。

私は高校の3年間、美術部に所属していた。3年生は2人だけで2年生はおらず、1年生が7人だった。1年生が少ないように思ったが、先輩たちは「後輩がたくさんできた」と、とても喜んでいた。

1年生の中には学年に2人しかいない男子の1人がいた。学校で男子生徒を見ることがほとんどなかったが、この学校に男子がいることを実感した。その男子は女子だらけの空間に違和感なく溶け込んでいった。

同学年で話していた時、その男子は私たちに打ち明けた。
「自分は男しか愛せない」
あまりにもあっさりと言われたので、最初は驚いたが、話を聞いて人それぞれの考え方があるのだなと思った。

次の日からもいつもと変わらない部活の時間を過ごした。男子は気が軽くなったのか、自分の彼氏の話をよくするようになった。彼氏の写真を見せてくれたり、別れた話をしてくれたり、意外と面白い話をたくさん聞かせてくれた。

2人で部室にいるのは良くないのでは。顧問から職員室に呼び出された

1年生の後期、3年生が引退をするときに私たちの中から部長、副部長を選ぶことになった。立候補や投票の結果、男の子が部長になり私は副部長となった。

2年生になり文化祭準備をし始めた。部員が少ないため、部長と副部長の私だけで作業をしていることがよくあった。ある日、1人の先生が美術部の生徒を探していると部室に訪ねてきた。その時は何も考えずに受け答えをした。

後日、私たちは職員室に呼び出された。文化祭のことで顧問から何か頼まれるのだろうと思っていた。
先生から言われたのは、2人で部室にいるのは良くないのではないか、ということだった。
私はそんなことで呼び出されたのかと思った。男子も私と同じことを思っていたようだ。なぜダメなのかと聞いても答えは濁っていた。

次の日に男の子は1人で職員室に来るように言われた。職員室で何があったのかと聞いたら、笑いながら「先生たちに打ち明けた」と言った。

何を打ち明けたのかは言われなくても分かった。先生たちに自分のことを言うことで、考え方が変わるのではないかと思ったということだった。
しかし、先生たちは難しそうな顔をしたそうだ。人それぞれの考え方があると思うが、お互いを理解することも大切だ。また、男子が少ない学校でこのような指摘をするのであれば、普通科も共学にし男子生徒を増やしたらいいのでないだろうか。

性別関係なく自分は自分。なぜ私の高校は別学にする必要があったのか

大学に進学し、高校の時と変わったことは特になかった。しかし、いまだに思う事は、なぜ私が通っていた高校は別学にする必要があったのかということだ。

なぜなら、保育士になりたい男子もいるだろうし、女子と限定しなくてもいいのではないかと思うからだ。ほとんど女子校のような空間でも、数少ない男子たちは学校に溶け込んでいた。このような環境で過ごしていたため、男子も女子も隔たりを感じずに今まで過ごすことができた。

性別を超えてひとりひとりが主体的に行動することは当たり前だと思っていたが、社会では男女差別の問題が残っている。私が今、女子大に通っていて思うことは、社会に出てからが不安だということだ。なぜなら、職場で男性と関わるときに普段から男性と話す機会がないので、どう接したらいいのかわからないから。

私が高校、大学で女子の多い環境で過ごして得た、性別関係なく自分は自分だという考えを大切にしていきたい。