私は、自分でも呆れてしまうほど、恋愛体質だなあと思う。

短大を卒業して派遣の仕事をしていた私。いくつもの恋を重ねた

そうなったのはいつからだろうか。多分、短大を卒業した頃からだった気がする。初めての彼氏ができて、多少浮かれていた私は、それからいくつもの恋を重ねた。女子校育ちで、男性と関わることがほとんどなかった私は、どんどん新しい世界を経験した。

初めての彼氏の部屋に泊まりに行った時、彼はギターを弾いて聴かせてくれた。音楽の趣味も合ったので、カラオケもたくさん一緒に行った。
残念ながら一年もしない内に別れてしまい、私は相当落ち込んでいたのだけれど、すぐにまた新しい彼氏ができた。隣の県に住む人で、頻繁には会えなかったけれど、毎日連絡を取り合い、貴重な会える時間が私は楽しみだった。

彼の部屋にお邪魔した時、カレーを作ってくれて一緒に食べた。カラオケも一緒に行った。とても歌が上手い人で、私の知らない歌をたくさん聴かせてくれた。残念ながら、この彼とも長くは続かず、別れてしまった。

それからしばらく彼氏は作らずに、アプリで出会った人たちと遊びまくった。一緒にご飯に行くだけの人もいれば、身体の関係を持った人(つまり、セフレだ)もいた。
人数はそこまで多くはなかったが、まるで今まで遊んでこなかった反動のように、私は色々な人と会った。時には虚しさや寂しさを感じることもあったが、それなりに楽しかった。

その頃の私は、就活が上手くいかず、派遣の仕事をするも何か物足りない毎日を送っていたから、余計そう思えたのかもしれない。

同棲みたいに彼の部屋に泊まり続けた。モラハラ気質な態度に嫌気がさした

そしてある日出会った二歳年上の人に誘われ、私は家を出たのである。その彼は東京に住んでいて、地方住みの私は早朝の新幹線で会いに行ったのだ(あの時の行動力には今でもびっくりだ)。

最初は会って東京を楽しんだらすぐ帰ろうと思っていた。しかし、彼の「しばらくいても良いよ」という言葉に調子に乗った私は、一週間、二週間と彼の部屋に泊まり続けた。そして次第に同棲みたいになっていった。

しかし、段々彼の、今でいうモラハラ気質な態度や言動に嫌気がさし、友達の協力もあって一年半ほどで私は地元に戻った。その後もずるずると関係は続いたが、離れてもなお、彼の束縛や暴言は終わらなかったので、半ば無理矢理関係を切った。今でもたまに思い出すことがあるが、きっぱり別れて良かったと心から思う。

それから結婚相談所に行ったり、懲りずに一目惚れしたりと色々あったが、縁あって夫と結婚した。そして子供もできた今では、私はもうすっかり家庭に収まった。

恋に恋したあの頃の自分。自分の力で生きていくことの大切さを学んだ

今振り返ってみると、私はきっと男性に依存していた。常に男性がそばにいないと駄目なタイプで、自分の時間よりそっち優先。相手のためと言えば聞こえは良いが、結局は身体も時間も犠牲にしていたような気がする。夫と結婚してからは、依存することはなくなり、自分の力で生きていくことの大切さを学んだ。

もちろんお互い支え合うことは大事だ。しかし、恋に恋して自分を見失い、相手に全てを捧げることとはまた違う。多分、寂しかったのだ。あの頃の自分もそんな風にしか生きられなかったんだなと思うと、全てが無駄だったとは思わない。

私は、過去の終わらない恋愛に終止符を打った。そして、新しい終わらない恋を始めようとしている。私に依存しない生き方を教えてくれた、夫との恋を大切にしていきたい。