疑問に感じた、今の教育現場で生理への対応。妹に聞いてみることに
水泳の授業がある日に限って生理になるのは辛い。
恥ずかしさの中、男性の体育教師に生理であることを伝えなければならなかったし、伝えたら伝えたで「本当に生理なのか」と疑われたり、クラスメイトに生理だと悟られることも嫌だったりと、散々な思い出しかない。
以前、かがみよかがみで特集されていた「わたしと生理」に投稿されたエッセイの中にも、生理と水泳の授業に関するものがいくつかあった印象だ。
それらを読んだり、自分の中学生時代の記憶を辿ったりしながら疑問に思ったのは、今の教育現場で生理の女子への対応はどうなっているのだろう、ということ。私は、現在中学3年生である妹に尋ねてみることにした。
妹に質問すると、何かを思い出した妹は嫌そうな顔をしながら、「明日、水泳の授業が終わってから学校に行きたい」と言い出した。
事情を聞くと、翌日に水泳の授業があるのに生理になってしまったらしい。しかも、水泳の授業に参加できないなら校庭を5周走らないといけないルールがある、と憂鬱そうに説明する。
体調次第で自分で選択できるように。妹が教えてくれた現場の状況
その週は晴れの日が続き、日差しが強かった。「こんな天気の中、生理痛に耐えながら走るのは嫌だ。それにナプキンつけてると蒸れるし」と本当に憂鬱そうに話す彼女をみて、私は怒りが湧いてきた。
いまだにこんな理不尽なルールがあるのかと衝撃だった。
翌日、学校が終わり帰宅した妹に「今日の水泳の授業どうだった?」と聞いた。
その日もずいぶん晴れていたし、本当に真夏の気温と日差しに晒されながら走ったのかと、確認したくなった。
すると、妹は「いや!それが…….」と何やら嬉しそうに話し始める。
妹の話によると、彼女はその日生理で見学する友達と一緒に体育の先生のもとへ行き、「本当に走らないといけないですか」と直談判したらしい。体育の先生からきた返事は、なんと「走りたければ走っていいし、無理そうなら日陰で休んでいて大丈夫。自由に過ごしていいよ」だった。
案外すんなりと休ませてもらえたらしく、彼女たちはこの機会に他のことも聞いてみた。
そこからわかったことは、基本的に走るルールは設けているけれど本人たちの体調次第であることと、この理不尽なルールはもう必要ないんじゃないかと職員の間で訴えている先生がいること。
妹から聞いた話のおかげで希望が持てた。時代は変化してきている
それを聞いた私は、なんだかすごくホッとした。あの理不尽なルールのことを聞いたときは生理への理解が進んでいないと思っていたが、それはこちらの早とちりだったらしい。
何より生徒である彼女たちの訴えを受け入れてくれる先生たちがいることに対して、嬉しさが込み上げた。もし理不尽なルールを突き通す先生たちなら、私が危うく学校に直談判をしに行くところだった。
いまだに「生理×水泳の授業」の組み合わせは最悪だが、少しでも嫌な思いをする女の子たちが減って欲しいと切に願う。そのためには学校側の理解と対応が必要になってくるだろう。
生理をめぐる議論はまだまだ数多くあり、憤りを感じたり、悲しくなったりすることもある。だけど、今回妹から聞いた話のおかげで心から希望が持てた。
私の母校でもある中学校。時代は確実に変化してきている。