高校生の頃、初めて告白されて彼氏が出来た。その人は同じ部活の先輩だった。先輩は、後輩には優しい人で、私も好きになるまで時間はかからなかった。

初恋と呼ばれるものはもう終わっていたが、1度も告白や気持ちを伝えようと思ったことはなかった。そんな私が、初めてその人には告白しようと思った。

しかし、告白も私から伝える勇気はなくて、何度も考えるが言えずを繰り返していた。そんな私が心から好きになった、大切な人だった。

高校生の時、初めて付き合った彼と過ごす日々は何もかもが新鮮だった

初めての恋人で、何もかもが新鮮で毎日が楽しかった。初めてのキスは、花火大会の日だった。部活の仲間達と2人で離れて、はぐれたふりをしながら2人っきりになれる場所を探した。

残念ながら2人っきりになれる場所はなかったが、会場から少し離れた、花火のよく見える場所に座った。部活の仲間からの連絡は見る余裕もなかった。

何を話そう、何を聞こうと迷っているうちに、結局何も聞けずに、学校での出来事や部活の2人っきりにならなくても出来るような話をしながら、花火を眺めていた。

花火大会も中盤になってきた頃、初めてキスもした。その後、余韻に浸る暇もなく、会場に流れ始めた面白い曲で雰囲気は壊され、2人で笑った。

帰り道は2人で手を繋いで、少し照れくさそうに「また明日」と言葉を交わしたことを覚えている。嬉しさとドキドキで、毎日が輝いて見えたあの夏はとっくに昔の話しだ。

些細なことで口論となり、私から別れを告げたのに今も後悔している

別れてから数年経った今になってもまだ、鮮明にあの日の光景を思い出せる。ドーンと大きな音をたてて上がる花火に、2人で繋いだ手の感触、そして、相手の唇の感触。全てが初めての経験で、恋の話をする時は何回だって、その日のことを思い出す。

高校時代、誰よりも好きだったその人とは、些細なことで盛大な口喧嘩になり、喧嘩別れをしてしまった。別れを告げたのは私の方からで、勢いに任せて言ってしまった。

次の日、落ち着いた私に待っていたのは、自分がしてしまったことの後悔だった。私から言って別れたのに、それでも未練だらけでずっと好きで、相手から「よりを戻そう」と言われるのを期待してしまう自分がいた。

私から言うことは出来なくて、相手のアクション待ちだった。しかし、現実は何も変わらずにただ時間は過ぎて、相手も私も卒業してしまった。

高校卒業後も心のどこかで、相手からの連絡を待ち望んでいる自分がいる

その人とは、もう何年も会っていない。高校を卒業し、それぞれの道に進んでからは、もうそれっきりだ。それでも、心のどこかで相手からの連絡を待ち望んでいる自分がいる。

もう終わった恋なのだからと割り切らなければならないと思っても、その人のことがずっと心の中にあって、他の人に告白されても全く気持ちが動かない。もう気にしないようにしよう、もうやめようと思っても、気持ちが揺れ動かない。

1度好きになると、もう一生昔の自分には戻れないのだろう。私はいつまで、その人のことを好きでいられるのだろうか。終わらない恋を抱えながら、別の誰かを好きになる日は来るのだろうか。