7年前の春、私は期待を胸に今の勤め先へ入社した。
苦手なITと大好きな英語。
挑戦しながら得意なことを活かせるとワクワクしていた。
社員の方たちは皆とても優しそうだった。
同期の友人もたくさんできて、毎日が充実していた。
そんな風に思っていたあの頃が、懐かしくも虚しい。
実際、全く英語に関わることはなかった。
ITの業務がメインなので、それはまだ仕方がないと思う。
上司の暴言と、どんどん去っていく同期社員。
『ITと英語で女性の自立を支える』という謳い文句は、助成金を得るためのものでしかなかった。
一気に絶望へと変わっていった。

仕事を頑張ろうと働き続けた私を打ち砕いた、決定的な出来事

数年すると、そんな状況も落ち着いてきていたので、とにかく仕事を頑張ろうと働き続けた。
しかし、ある日決定的な出来事が起こった。
私は新入社員たちを監督する係を任されていた。
その中にある問題を抱える社員がいた。
何とかして助けたいと、私はできる限りのサポートをした。
本人にヒアリングをしたり、データを集めたりした。
会社に詳細を報告し、話を聞いてあげてほしいと伝えた。
私は、会社が彼をしっかりフォローしてくれることを期待していた。
残念ながら、そんな願いはすぐに打ち砕かれた。
上司はあることないことを言って、私に全責任を押しつけた。
その上、その社員を退職にまで追い込んだのだった。
許せないという感情と、悲しい気持ちが入り交じり、毎日のように涙を流した。
体調を崩して休んでしまうことも増えた。

ずっと自分を出せず、昔から何一つ変われていない自分が憎い

私は、今度こそ辞めようと強く心に決めた。
転職を考えたが、安定を重視する家族から反対された。
私は、それに逆らうことができず、ただ耐えるしかなかった。
思い返すと、昔からそうだった。
いつも私は、家族や友人たちの気持ちを優先する。
買うものや進学先、遊びに行く場所。
就職先はさすがに自分で決めたが、それ以外はすべて相手の意見に合わせてきた。
小・中学生時代に虐めを受けた経験があるが、そんなときですら黙って下を向いているだけだった。
自分を出せないことを、ずっと苦しんできた。
社会人になってもこんな思いをするなんて。
昔から何一つ変われていないことを悔しく、そんな自分が憎いとすら思った。
誰にも頼ることができず、精神的に追い詰められていた。

「自分のために生きなよ」。今の自分をやめ変わろうと決心した親友の言葉

そんなある日、大学時代の親友と会う機会があった。
事情をよく知っており、私のことをいつも心配してくれていた。
「もう、どうすればいいか分からないや」
私は無理やり笑顔を作りながら呟いた。
そんな私を見ながら、彼女はこう言った。
「自分のために生きなよ。あと、もっと頼ってね」
それを聞いて、私は涙が止まらなかった。
そして、私は今の自分をやめることにした。
変わろうと決心した瞬間だった。
家族に転職することを伝え、今まで思ってきたことも全部ぶつけた。
友人たちにも、どこへ行って何をしたいかはっきり言うようになった。
少し経つと「変わったね」と周りから言われるようになった。
現在は転職に向け、多くの人たちに協力してもらっている。
自分の意見を言ったり頼ったりすることは、甘えや逃げではない。
自分が変わるための新たな一歩だ。
そう信じながら、私は今日も自分らしく生きている。