昨年のバレンタインデーに、片思いの相手に好きな人がいることが分かった。しかも、その好きな人は私の知り合いだった。
完全に脈なしだと思った。
はたから見れば終わったと思われる恋だが、私はまだ諦めきれていない。

片思いの彼からLINEがきて、彼に好きな人がいることを知った

思い返せば2月14日、片思いの相手(仮にAくんとしよう)からLINEがきたのがことの発端だ。前日に起きた大きな地震のことで、私の安否を気遣う内容だった。

そのようなLINEがくるのは初めてで、嬉しさで浮かれてしまっていた。だから、その日がバレンタインデーだったこともあり、つい聞いてしまった。

「バレンタインは、誰かに貰う予定あるの?」と。答えはNOだったが、その後のやり取りでAくんが女子にプレゼントを贈っていたことがわかり、しかもその相手が私の知り合い(仮名:Bちゃん)だということを知った。

このやり取りの後、私は悲しみのような、怒りのような感情が湧いてきて意気消沈していた。この一件から今に至るまで、彼とは一切会っていないし連絡も取っていない。姉に相談して吹っ切れようとしたが、言葉にすればするほど心は重くなっていった。

私の恋は脈なしなのに、Aくんへの気持ちをどうすればいいかわからない

思えば、AくんはBちゃんと話しているときは、とても楽しそうにしていた。大学の実習では、2人が一緒にいるところをよく見かけた。

Aくんは結構マイペースな性格で、団体行動でも1人でふらふらしている人だ。しかし、Bちゃんがいる実習のときは、班員やBちゃんの輪に混ざりながら談笑している姿を多く見た。

しかも、私には研究室や授業の話を多く振ってくるにも関わらず、Bちゃんには趣味や休みの日になにをしているかを話していた。この時点でおかしいと思うべきだったのだ。

それに、その実習の日に私とBちゃんが知り合いであることをAくんが知ることとなった。Aくんが頻繁に話しかけてくるようになったのは、そのころからだったように思う。

授業前後のちょっとした時間、廊下ですれ違ったときに、会話をかわすのを幸せだと思っていたのは私だけだったのだろうか。Aくんの瞳に映る私はBちゃんの知り合いの私で、それ以外に私の価値はないのだろうか。

そんなことを思い返し、脈なしを実感したことに対する悲しみと、Bちゃんの知り合いであることを知ってから急に距離が近くなったAくんに対する怒りがないまぜになり、私はこの恋をどうすればいいかわからなくなった。

私の行動のきっかけを作ってくれたAくんだから、恋に終止符を打てない

「早く諦めれば?」というアドバイスも貰ったが、この恋を簡単に諦められない理由がある。

1つは就活。エントリーシートには短所の改善のために始めたバイトのことを書き、その内容が評価され、無事に内定を貰うことができた。しかし、バイトを始めた本当の理由はAくんに見合う人になりたかったから。変わりたいと思ったからだ。

もう1つは進路。もともと進学意欲はなく、親の敷いたレールに乗ってきた人生だった。就職先もその後の人生もどうでもよかった。それでも、親の言うことを無視してまで今の就職先に決めたのは、Aくんのように自分のなりたいもの・興味のあることがはっきりと決まっていて、その道に向かって進む人間になりたいと思ったからだ。

全く興味のなかった専攻に興味を持つことができたのは、Aくんのおかげだろう。研究で成果を出しているAくんと自分を比べて落ちこんだこともあった。そのときは私も研究に打ち込もうと誓った。

行動のきっかけが、Aくんであることが多かった。この恋を終わらせてしまったら、Aくんに見合う自分になりたくて頑張っていた自分自身を否定してしまうような気がする。

Aくんを好きだったころの私を捨ててしまいたくない。だから、この恋はまだ終わらせられない。