24歳、社会人2年目
学生の時より、悩むことも自分を見失ってしまいそうになることも増えた。
そんな時、いつも支えてくれる、味方でいてくれる彼がいる。
そんな彼との出会いの話。

人生初のアルバイト先で出会った、初彼

大学生になり私は人生で初めてアルバイトをすることになる。
そこで出会った3つ年上の先輩が、今の彼であり、人生で初めての彼である。
「初めまして」と挨拶を交わした時、私からみた彼は、珍しく、好印象だった。
というのも、人を必要以上に疑いがちな私にとって、今まで出会った、同じくらいの年代の異性で最初から印象が良いということはあまりなかったから。

私の直感は正しかったらしく、その後も、その先輩の、お客様と関わる姿勢や、どんな人とも対等に接する人間性、The 信頼と実績、というところに好印象は止まらず、憧れの先輩になった。

バイト先は同年代が多く、定期的に遊ぶほど、みんな仲が良かった。
私は人一倍心を開くのが遅く、その輪の中に入ることに少し気が引けて、あまり参加していなかった。

そんな中で、特にいる必要もないだろう私を先輩はいつもギリギリまで誘ってくれていた。
そういう優しさにも少しづつ惹かれていった。

鈍感な先輩。ある日、友達に相談すると

バイト終わりは、家が同じ方向の数名で一緒に帰っていた。
途中いくつかの分かれ道があるが、私は最後まで、その先輩と一緒だった。
その後は、だんだん二人で帰ることも多くなり、気がつくと、公園で夜中まで話し込むことが普通になっていた。

シフトも被ることが増えたし、休みの日に二人で遊びにいくようにもなった。
私は、紛れもなく先輩のことが好きになっていた。
今までは好きな人ができても、特に自分から何かすることはなかったが、今回は珍しく、勇気を振り絞って少しずつアクションを起こした。
それでも、全く私の気持ちに気づいてくれない先輩の鈍感さは、すごく厄介だった。

大学の友達には何かあるたびに話を聞いてもらっていて、ある日、こんな相談をした。
「向こうが私のことをなんとも思っていないのだとしたら、このまま仲良くいることもしんどいんよなあ」と。

すると友達は「どう思ってるか聞いてみたら良いやん」と軽く鋭い一言。
それが簡単にできるんやったら苦労せーへん、と内心思っていたけれど、その友達の言葉で謎のスイッチが入ってしまった私は、次に二人で会った時にどう思っているか聞いてみようと心を決めた。はずだった。

勇気を振り絞ったあの夜は無駄じゃなかった

なかなか言い出せなかった。
その日は家まで送ってもらうというボーナスタイムがあったにもかかわらず言えなかった。でも、どうしても今日聞きたくて、ちょっと聞きたいことがあるんですけど、と別れを渋り。

そこから数時間、真夜中の散歩に出る。
結局言えたのは夜中の3時だった。
今思えばすごく迷惑な話だ。

特に告白するわけでもなく、どう思っているか聞くだけでこんなに時間がかかるとは思わなかった。
その時の先輩の反応といえば特に良いものではなく、その日はなんだか曖昧なままで終わってしまった。

けれど私の勇気は無駄じゃなかったらしい。
というのも、その日のことが先輩の背中を押したそうで、数日後の夜、近くの公園に呼ばれ、改めてしっかり、じっくり話した。

心の距離が近づくのはいつも夜。向き合うことができる時間

そして、先輩からいただきたかった言葉を頂戴し、私たちは付き合うことになった。
あの夜の彼の反応に、私は、よろしくない勘違いをしてしまったけれど、後々聞くと、自分から切り出したかったらしく悔しかったという。
人の気持ちは、思っている以上に伝わりづらい。
でもその分、伝えてみる価値はある。相手を知ろうと思う価値はある。

私たちの心の距離が近づくのはいつも夜だった、気がする。
夜は孤独を感じやすいかもしれない、寂しくなって消えたくなることもあるかもしれない。
でも、自分に正直になれる時間でもある。
そして、大切な人と、自分と、向き合うことができる。

あれから付き合って4年が経つ
あの夜があったから、数年後、私の夢は叶うらしい。
人生で初めてできた彼と結婚するという夢。