大学で出会った彼女は、とてもシャイで控えめで。私とは全く違うタイプ。それでも、なんだかすごく惹かれるものがあって友達になりたくて、連絡先を交換した。
連絡先を交換しても連絡することはあまりなかったけど、いつからか授業を一緒に受けるようになり、自然と話すようになっていた。いつでも優しくて、思いやりのある彼女にどんどん惹かれていっていた。

彼女が私のラブレターを選んでくれた時分かった。彼女が好きだって

そんなある日、一緒に過ごしてるグループでラブレターを1番上手に書けるのは誰だっていう、ふざけた遊びを休み時間にすることになった。宛先は彼女。笑いながら、ラブレターを書いてみんなで渡したね。
5人から送られたラブレターを真剣に選んでる彼女。このラブレターが1番好きって気持ちが伝わるといって選んだのは、私のラブレター。その時の気持ちは今でも忘れられない。
初めて分かった、彼女が好きだって。
同性に恋をするのは初めてだったし、自分でも困惑した。それでも毎日連絡したり、恋人のような甘い言葉のやりとりもした。2人でデートもしたし、初めての夜も過ごした。クリスマスにプレゼントを送り合ったし、お互いの誕生日もお祝いした。なんなら記念日もお祝いした。飲み会で夜遅くなるときは駅まで迎えに行ったりもした。周りからみたら、性別さえ差し引いたらカップルにしか見えなかったと思う。

「私たちの関係ってなに?」。静かに涙を流し、彼女は私に質問した

ある日彼女といつものように家で過ごしながら、優しく彼女にキスすると、静かに涙を流した。
「私たちの関係ってなに?」
予想もしない質問だったけど、確かに彼女の言う通りだった。恋人でもなく、友達以上の私達の関係は不確かなものだったんだろう。そんな彼女に、恋人になってほしいと言う勇気はなかったし、今の関係が壊れるのも怖かった私が言った言葉は、「友達だよ」の一言。
その日以来、関係について彼女が聞いてくることはなかった。それから数ヶ月また、曖昧な関係は続いた。
幸せだった。もしかしたら私だけが幸せだったのかもしれない。

デートの帰り。いつも通りに手を繋いで帰ろうとした私の手を、少し繋いで振り解いた彼女。手の感触もいつも違った気がした。なんとなく、いつもみたいに噛み合わないのだ。まるで、別な人の手のような感触だった。疑問には思いつつも、違和感に触れるのが怖くて何も気付かないフリをした。
それから少し経ってから、彼女は同じクラスの男子と付き合い始めたことを知った。
心は張り裂けてしまったかのように、悲鳴をあげる。底はあるのかと思うくらい涙がとまらなかった。彼女とはそれから話すことも連絡を取り合うこともなくなり、関係は自然と終わり告げた。

恋人と答えていたら、手の違和感に触れていたら、未来は変わったかな

ねえ、あの時の質問に、恋人になりたいって答えていたら、未来は変わっていたのかな。
あの時の手の違和感に触れていたら、もっと違う未来があったのか、今となってはわからない。
同性として彼女を好きになり、少しでも幸せな時間を過ごせたことは信じられないくらいの奇跡だろう。彼女と過ごせて本当の幸せを知ったし、愛するってことの意味も知ることができた。愛の儚さも知ることができたし、普通に恋愛することの難しさも知った。

彼女と別れて、恋愛が出来なくなった私は、最近ようやく好きな人が出来た。彼女とは全然タイプの違う、大人な女性だ。
彼女とは違い、優しさだけじゃない厳しさもある。控えめというより、自分をしっかりと持った女性だ。きっとまた辛い恋愛になるかもしれない。でも、今度は傷付いたとしてもちゃんと言うよ。恋人になりたいって。
もう、届くことはないけど、私に素敵な愛を、恋愛をさせてくれてありがとう。どうか、これからもお幸せに。