小さい時からアイドルに憧れていた。
初めてアイドルが好きになったのは6歳の時。
モーニング娘。が爆発的に人気で、田舎に住んでいた私のところにもその波は大きく打ち寄せてきていた。
メンバーのこともよく分からないまま、誰が好きだと聞かれたので、ゴマキと答えていた。
それからも、その時々で男性、女性を問わず、テレビで輝くアイドルにずっと憧れて、真似をしたり、歌を口ずさんだり、テレビ越しにアイドルの姿をみていた。

峯岸みなみとの運命的な出会い。彼女は「私のタイプど真ん中」

震災の後、世の中の暗さと同期するように塞ぎ込んだ高校1年生の私が出会ったのは、人気の絶頂だったAKB48。
妹がよくミュージックビデオをみていたから、私も何気なくパソコンの画面を覗いた。
運命の出会いの瞬間だった。
カラフルな背景に重そうな衣装を着て、後列で踊っていた髪に緩くウェーブをかけた目のパッチリした女の子。
それが、その後10年たった今も変わらない熱量で応援している峯岸みなみとの運命的な出会い。
彼女は、簡単に言ってしまえば「私のタイプど真ん中」だった。

「ミーハー」だった私が、ひとりのアイドルにどんどんハマっていくことになる。
彼女が出ているテレビやラジオ、雑誌などは高校生の私が手に取れる範囲で手に取り、グッズが出れば買っていた。
大学生になり、上京してお金がある程度自由に使えるようになれば、CDを買って会いに行ったり、一緒に写真を撮ってもらいに行ったりした。
SNSももちろんチェックし、好きな食べ物、好きなバンド、お気に入りの場所などもできる限り共有した。

彼女の姿を見たり追いかけたりしている間に、塞ぎ込んだ心に光がさす

好きになったきっかけは顔だったのに、歌もダンスもとても魅力的だった。
引き込まれるような彼女のパフォーマンスが好きになり、公演やコンサートへも通った。
彼女に会うまでは、アイドルは「かわいい」が仕事だと思っていた。
もちろん「かわいい」は彼女達のメイン業務だろう。
ただ、その「かわいい」の前には歌やダンスの練習や厳しい序列争いがあり、「かわいい」の先にはファンの疲れを癒す笑顔もあった。
彼女を知って、彼女の仕事を理解すると、さらに彼女の性格や考え方がみえてきて、アイドルとしての彼女だけでなく、彼女自身を好きになった。
輝いている彼女にも、悩みや苦しみがあり、その中でもがき、私に笑顔を向けてくれていたのだ。
そう気づいたときに芽生えたのは、恋とは違うのに恋に似た、刷り込みのような、切望にも似た憧れだった。

塞ぎ込んでいた私の心には、彼女の姿をみたり、彼女を追いかけたりしている間にだんだんと光がさしてきた。
彼女の夢が叶った時は一緒に喜び、悲しいことがあれば一緒に悲しんだ。
もちろん、いつも必ず一緒に、ということはできないが、それでも、彼女の姿をみていたら新しい世界を知っていくようで、なんでも嬉しかった。

AKB48を卒業する彼女を見送り、タレントとしての彼女も見守り続けている

週刊誌に話題を提供したり、体を張った姿をバラエティ番組で見せることが多かったりと、彼女を好きだというと、否定的なことを言う人もいた。
そんな人と付き合っていた時はそれが直接的な理由にはならなくても別れてしまったし、友人だった時は少しずつ距離を置いていた。
彼女の本当の魅力を知ってもらうには、アイドルとしての姿だけでは難しいのかもしれないとは思っていたが、だからといって彼女の良さをどう伝えたらいいのか、迷っていた。
私がどう伝えるか迷うほど彼女には魅力が沢山あったし、それを伝えるのももったいないとすら思っていた。

彼女が「AKB48を卒業する」と言った時は、遂にきたという期待の気持ちと、この時が来てしまったかという気持ちが複雑に絡み合っていた。
グループアイドルともあれば、グループでの仕事も多く、あまり個人での仕事に自由も効かないことも多そうだと常に感じていたので、これからはそれなりに時間がかかってしまいそうな仕事も受けられるようになり、たくさんの人が彼女を知ってくれるという期待感。
もうAKB48の一員として歌い踊る姿をみることができなくなるという名残惜しさ。
いろんな感情を抱いたまま、AKB48から卒業した彼女を見送り、ひとりタレントとしてもがく彼女を見守り続けている。

幸せな彼女がこの先どんな表情をみせてくれるのか、楽しみで仕方ない

先日、彼女に関する熱愛報道が出たが、私はアイドルだろうがタレントだろうが女優だろうが、それがプライベートを制限される理由にはならないと思っている。
もちろん、芸能界を生き抜く人達の商品は自分自身だというのは理解しても、自分の人生あっての仕事ではないのかな、と思うのだ。
もちろん彼女に対するいろいろな感情を持った人がいることは理解しつつ、私は彼女の人生を尊重したい。
若いから、かわいいから、女だから……。
そんな理由で恋の楽しさ、苦しさ、切なさ、嬉しさ、いろんな感情を味わえないのはもったいないと思う。
厳しい世界で闘ってきた、思いやりと優しさでいっぱいの彼女が、新しく触れるいろいろな感情をどう私に伝えてくれるのかと思うと、ワクワクしてしまう。

彼女のプライベートがどうであろうと、私はこれからも彼女を応援し続ける。
大好きで幸せな彼女がこれからどんな表情をみせてくれるのか、私にどんな景色を見せてくれるのか、楽しみで仕方ない。