峯岸みなみ×ドリアン「派手なメイクや衣装にはジェンダーさえ笑い飛ばしちまえって意味があるの」
AKB48最後の一期生である峯岸みなみさんがパーソナリティーを務めるラジオ番組「やっぱり今日も褒められたい」(TOKYOFM木曜21時スタート)。毎週登場するパートナーとともに、お互いを褒めあいながら、それぞれの価値観や悩みをシェアしていきます。かがみよかがみ連載コラム「できれば明日も褒められたい」とコラボし、ラジオの様子をぎゅぎゅっと凝縮してお届けします。※内容は放送をもとに再構成しています。
AKB48最後の一期生である峯岸みなみさんがパーソナリティーを務めるラジオ番組「やっぱり今日も褒められたい」(TOKYOFM木曜21時スタート)。毎週登場するパートナーとともに、お互いを褒めあいながら、それぞれの価値観や悩みをシェアしていきます。かがみよかがみ連載コラム「できれば明日も褒められたい」とコラボし、ラジオの様子をぎゅぎゅっと凝縮してお届けします。※内容は放送をもとに再構成しています。
ドリアン・ロロブリジーダさん
ドラァグクイーン
180cmのスレンダーなボディに20cmのハイヒールと巨大なヘッドドレスを装着。長い手足とよく回る舌、豊かな声量を活かして、各種イベントやMC、モデル業やCM出演もこなすマルチなクイーン。新宿二丁目発本格DIVAユニット「八方不美人」や、好きな歌を好きな場所で“ただただ歌う”ユニット「ふたりのビッグショー」メンバーとしても活動するなど、その活躍はとどまることを知らない。
峯岸みなみさん(以下峯岸):ドリアンさんの存在で、スタジオが一気に華やかになりました!
ドリアン・ロロブリジーダさん(以下ドリアン):ラジオだからこの姿をお見せできないんですけど、フル装備でみなみさんの前に座っております。
峯岸:ドラァグクイーンって最近は結構耳なじみのある言葉になりましたよね。初めて聞いたという方ももちろんいらっしゃると思うので、「ドラァグクイーンとは」というところから、お話しをうかがえたらと思います。まず…ドラッグ、じゃなくて、ドラァグなんですよね。
ドリアンさん:綴りも違うのよね。ドラッグストアとかのドラッグはDRUGなんだけど、私たちはDRAGなの。これは元々「引きずる」っていう意味。語源は色々あるんですけど、昔は、着慣れない女性用の衣装を男性がずるずる引きずって歩く様だったり、あとは男とか女とかそういった境界の間をずるずる引きずっている、というのが有名な説ですね。
峯岸:そうなんですね。ドリアンさんの「職業:ドラァグクイーン」っていうのは、どういうことをしているんですか?何か定義はありますか。
ドリアン:んー。基本的には定義っていうのはないんだけど、派手な衣装とメイクを着て、日常に非日常をお届けする、妖精みたいな存在かなーって私は思ってます。
峯岸:笑顔を振りまく妖精!すてき!ドラァグクイーンとの出会いはいつなんですか?
ドリアン:初めて人前でお化粧したのは高校2,3年生の頃かな。近所のゲイのお友達のなかで、ドラァグをやってらっしゃる方がいて、そのメイクを見た時に「なんてかっこいいんだ!」とのめり込んだのがきっかけ。その時はまだ趣味でやったようなものだったけど、ドリアンという名前で活動するようになったのは2006年からかしら。
峯岸:え!じゃあAKBとほぼ同期!
聞きたいことがたくさんあるんですけど、ドラァグクイーンのみなさんのセクシャリティって人によって違うんですか?
ドリアン:そうですね。もともとはゲイカルチャーのなかで生まれた表現様式だから、基本的には男性同性愛者のゲイの方が多いかな。でも、ドラァグメイクって特徴的だったりもするから、女性もストレートの男性もいらっしゃいますよ。
峯岸:恋愛対象は異性だけど、着飾って違う自分になって、非日常を体験するのが好き、ってことですよね。派手なメイクや衣装ってどんな意味や主張が込められているのでしょうか。
ドリアン:この派手なメイクや衣装は、女性性を強調しているんだよね。グーッとアイラインを太くいれたり、風船みたいなおっぱい入れたりっていうのは本当は、女性はそんなことをしないでしょ。だから、「ジェンダーで遊ぶ」っていう感覚なんだよね。どうせ、男たちはこういうの好きなんでしょっていうのを過剰にやることで、男らしさや女らしさっていう、そもそもの考え自体をバカにして、笑い飛ばしちまおうぜっていうのがこの衣装やメイクに込められた思いなの。
峯岸:すごく素敵。わかりやすい男性受けを狙うんだったら、別に強いメイクも、とがった格好もする必要もないと思っていたけど、そうじゃなかったんですね。もう、そういう考え方自体をバカにしている…すごく腑に落ちる!なんかそのメッセージに明るい未来を感じるなあ。
ドリアン:そもそもゲイの本当の語源は英語だと「明るい」とか「陽気」って意味なの。だから、自ら明るいという意味のある肩書を名乗ることで、本当はつらいこともたくさんあるけど、明るくネタにしていこうぜっていう気概と心意気を私は感じるのよね。
峯岸:ドリアンさんの一言一言に厚みを感じる。きょうは最初の一歩から丁寧に説明をしていただいて、本当に勉強になりましたし、より親近感がわきました。
テレビのバラエティやYouTubeで観る峯岸みなみさんの印象は、
ちょっと弱気で、優柔不断で、たまに情緒不安定…そんなイメージを勝手に抱いていました。
ところがどうでしょう。
スタジオでお話をしてみるとそのイメージは180度ひっくり返り、表層的なものしか見ていなかった自分を恥じ入りました。
実際にお会いしたみなみさんは、聡明でたおやかで、よく笑う素敵な女性。
人の“痛み”や“傷”を気遣い、その傷に寄り添うとても優しい女性でした。
その姿に、まんまとアタシは“ギャップ萌え”。
彼女のことが大好きになってしまいました。
AKB48を卒業して30代を迎えた暁には、
更に素敵な女性として輝くんだろうなぁという確信さえ抱いています。
なんだか悔しいわね…。
彼女の思う壺じゃない!
みなみさん、
素敵な時間をありがとうございました。
◇放送時間:木曜日21:00-21:30 ◇出演者:峯岸みなみ(AKB48) AKB48の1期生で、朝日新聞の女性向けWEBコラムサイト「かがみよかがみ」内でコラム連載を持つ峯岸みなみの新番組がスタート!アイドルとして15年の活動を経て、30歳という年齢が見えてきた一人の女性としてリスナーと本音で向き合う30分の番組です。一日の終わりくらいちょっと褒められたい。そんな思いを共有しませんか? 番組HPはこちら
AKB48の最後の一期生で、アイドル歴14年の峯岸みなみさん。新型コロナの影響で卒業が延期となり、アイドル“留年”中のいま「かがみよかがみ」でコラムニストデビュー!「他人に褒められることをモチベーションに生きてきた」というアイドル時代を振り返りながら “宿題”に向き合います。
かがみよかがみは「私は変わらない、社会を変える」をコンセプトにしたエッセイ投稿メディアです。
「私」が持つ違和感を持ち寄り、社会を変えるムーブメントをつくっていくことが目標です。
恋愛やキャリアなど個人的な経験と、Metooやジェンダーなどの社会的関心が混ざり合ったエッセイやコラム、インタビューを配信しています。