旅に出た理由。
なぜなら、私には当時居場所がなかったから。
学歴や会社名ばかりを気にする親族。
同棲してた彼の思ってもみなかった裏切り。
外の世界に触れてないと消えてしまいそうだった私の灯。
正直もうどうにでもよくなっちゃってたから、成し遂げた偉業でさえあると思ってる。

色々葛藤して旅に出た。それが私の本当の旅と人生のはじまり

リュック一つで40ヵ国。
傍から聞いたらすごいね。だとか、その年齢(20代半ば)で旅にひょいっと行けちゃうところとか、悩みなくていいよねってもう何百回も言われてきた。

違うんだって。
そうじゃなくって、色々葛藤したから旅に出たってこと。
同棲してた部屋で、体が段々動かなくなってきて、今でも覚えてるけどずっと天井をグルグル見つめてて、このままじゃいけないって本能的に思ってとりあえず航空券だけ購入した。

それが私の本当の旅と人生のはじまり。
これほどまでに追い詰められてなかったらきっと旅に出なかっただろう。

だから、別に元々旅する予定なんてなかったんだよね。
でも、ほんっとに過去のことには、一ミリも後悔はない。
なんだって、旅をしたことで、過去の辛くて、生き辛かったことを忘れ去ってくれるぐらい良い経験が出来たから。

そして、旅の経験から多くの人と関わる機会を作れたから。
頑張ったよ過去の私。自分褒めなきゃ誰が褒めるんだよと思えるようにもなったし。

自分は恵まれすぎている。生死以外で悩むって、贅沢なことなんだ

まず、何も決めずに旅をはじめちゃった時なんかは、今日どこ泊まろ、南行っちゃう?北行っちゃう?東西?どっち行く?みたいな感じだったから、今までみたいに色々悩んでる暇なんてなくって、あまりのワクワクさや、とてつもない暑さや寒さでお腹空いてることも忘れてて、気付いたらお腹空いてるを通り越してて。

だけど、衛生面とかで食料がちゃんと確保出来なくて、気付かないうちに栄養失調になってたらしく、一度日本に帰国して皮膚科に行ったときはお医者さんに顔にカビ生えてると言われてしまった(ビタミン剤とミネラルですぐ治ったけど)。
今時そんなことあるのかよって、聞いたとき自分でも笑ってしまった。

そんな状況下で、生死以外で悩むって、とてつもなく贅沢なことなんだって思った。
悩めるって、ご飯もあって寝るとこがあるから悩める時間があるんだと思った。

そこで旅して世界の現状を知った。
今日のご飯も昨日のご飯も、寝るとこも何もない人が世界には多くいて、だから、極論お金持ちからお金取ることが正義だと親から教育を受けた子供たちが多くいることも知った。

彼らの悩みは命にかかってくるような悩みだったし、私の悩みなんて、彼らからしたら悩みだと言えないぐらい、しょうもないことだと思ってしまって、今までの私の悩みが正直彼らに申し訳なくなってしまった。

その時、過去にあれほどまで自分の中では落ちてたつもりだったけど、自分の恵まれ過ぎてる状況を全身で感じることが出来た。
そう心から思えたとき、自身の中で新たな自我が芽生えた。
家も食べ物もあるんだし、もっと自由に生きたら良いじゃないかって。

旅したことで作れた心の逃げ道。旅の後で、本来の私の姿になれた

世間体だったり、親族だったりそんなの正直たかが50人ぐらいを気にして、病んでても仕方のないことだと心の底から思えた。
一度、こうやって思えたことで、どう人に見られるかじゃなくって、内に秘めた本来の自分でこれからの人生歩んでいきたいと誓った。
そうすることで、今までの生きにくさから解放され、本来あるべき姿の私で勝負できるんじゃないかと思った。

なんたって、私には40ヵ国行けた経験があるんだし、もうそもそも、それだけ旅してる時点で、世間体捨てっちゃってるようなもんだよ。
もしだけど、また何かでつまづいて希死念慮にかられることがあったならば、最低でもインドのガンジス川に行って帰って来れるお金ぐらいは残しておこうと思ってる。
2年前ガンジス川のほとりのバラナシという町(ヒンドゥー教のメッカで町全体が火葬の町)で年越ししたとき、年越しとか関係なく人は耐えず死んでいくし、いつかは死ぬんだから人生全うしたもの勝ちと思えたから。
旅したことによってこうやって心の逃げ道も作れて良かったと思ってる。

旅する前と後じゃ、異なる人間になった様に思われるけど、今の私が本来の私。
旅をはじめた過去の私に感謝してるし、今こうやって元気に生きてる私に感謝。
愛してるよ、旅と私。

一生切っても切れない、旅と私の人生。
これが旅したほんとの理由。