今回、私はこの「自慢したい私」というテーマでエッセイを書くつもりはなかった。というより、ずっと書けなかった。
今の私は絶賛不調期で何をやってもうまくいかないし、自信が持てない。こんなにもダメな私に果たして自慢できる点なんてあるのだろうか、とかなんとか考えていたら、いつの間にか締め切り当日の夜。

だけど、こんな「自分を褒め倒していいよ」なんていう有難い機会は滅多にないだろうし、せっかくだったら自分を少しでも自信づけたいと思った。
自分と向き合う時間を作ることで良い点を発掘してあげようじゃないかと思い、締め切りに間に合うよう急いで書いている。

どの星座占いを読んでも書かれている性格や特徴は、私に当てはまる

双子座に生まれた双子の片割れ、それが私。星座で自分を表現したくなるのは、それが私のアイデンティティを形成する一部と言って良いくらい、見事に性格や特徴が当てはまるから。

「好奇心旺盛で、自由な性格」。どの星座占いを読んでも大抵こんな感じのことが書かれてある。
まさしくその通り。私は好奇心旺盛で、自分の興味あることや、やりたいと感じたことはすぐにやる。

たとえば、大学3年目に地元の友達と「地元貢献に関する活動に興味があるけど、地元には大学生向けの機会がないよね」という話で盛り上がった際、その月には友達を誘って一から学生団体を創設した。しかも、創設して3ヶ月も経たないうちに、大学生メインの地域創生をテーマにしたイベントを地元で行なうことに成功したのだ。
この時期の私は「機会がないなら自分たちで作ってしまえばいいじゃない?」なんて、どこぞの貴族のようなマインドで学生団体を立ち上げてしまうほどの行動力があった。

他にも、ある演劇を観てウィーンの文化に興味を持ったときは、すぐに1週間のひとり旅をしに行った。舞台となったその土地の文化や生活に触れてみたいと強く感じたら、もうじっとしてはいられない。そのくらい、好奇心に溢れていて、やりたいと思ったことはすぐに行動にうつす。

好奇心の前では、不安や吟味は関係ない。「不安ならとりあえずやってみる」「百聞は一見に如かず」などの言葉が真っ先に思いつくから、その本能に従って動いてきた。

出会ったエッセイ本に書かれていた言葉に、双子座の私は心を打たれた

このように見事に星座占いで性格や特徴が当てはまるからか、私は星座占いを通して自分を見つめ直すことが多い。
ここ最近、自分が低迷期に陥り、将来への不安にかられたり、どう現状を乗り切れば良いかわからなくなった。そんな中、ある一冊の本に出会った。
それは、双子座の人に向けて書かれたエッセイ本。そこには、双子座の性格や特徴だけでなく、行き詰まったときのヒントや私の悩みに対する道標となるような言葉が書かれていた。

その中の一節で特に心打たれた言葉があった。
「双子座は風の星のもとに生まれた。風は吹くから風なのであって、止まってしまったらそれはもう風じゃなくなってしまう。落ち込んでいるからといって、家に閉じこもっていても仕方がない」

たしかに、今の私は自信を失い、何をしてもうまくいかないからと行動できずにいる。コロナ禍で適応障害になってからはバイトも辞め、学業への専念が難しいからと大学も休学し、実家に帰省している。そんな現状だからか、余計家に引きこもることも多くなってしまった。

低迷期のおかげで向き合えた自分。いつかまた風に戻れる日は来るはず

そんな中で出会ったこの一冊。この言葉に出会った瞬間、やっと答えが出た気がした。「何をしてもダメ」「自分なんて嫌いだ」と落ち込み、風だった私は吹くことをやめてしまったけれど、それは自分で自分の首を締めていただけに過ぎなかった。

この低迷期があるおかげで、私は自分に向き合えた。私は好きなこと、興味のあることに対してどこまでも行動できていたんだから、きっと大丈夫。そんな自分の良さをエッセイ本からだけでなく、自分で文章にして書くことでより具体的に見つけ出せたような気がする。

自分のポテンシャルは、少しくらい把握している。今は調子が良くなくても、できることから少しずつ取りかかっていけばいい。そして徐々に調子を取り戻していけば良いんだ。風に戻れる日は必ずまた来る、そう信じて。