「あの日に戻れるなら」、大体の人はこの文字を見て後悔ばかりがよぎるだろう。わたしもそのひとり。
だけど、ポジティブなものもある。好きなアイドルのコンサートに行く前のドキドキとか、あの小説に驚かされる前とか、旅行に行く前のわくわくとか。
良い思い出は、流れ星のように思える。きらきらとしていて、それでいてすぐに消えてしまう。
過ぎ去った日々は取り戻せない。でも、もし違う世界線があるというのなら、どうしているだろうか。

半ばやけくそで受けた会社。10月にカフェの正社員に採用されたけど…

わたしが戻るなら2021年の10月のことだ。
今年の11月に20歳という節目になるので、6月から就活をしていたが、ことごとく落とされた。完膚なきまでに叩き潰された気分。社会人として初めて選択肢が限られてることを味わった。

そんなこともあり、半ばやけくそでいろんな会社を受けてみた。そして、10月にカフェの正社員に採用していただけたが、わたしの打算は甘かった。面接時は、店長さんも優しかったが……。
その後、働く前に書類などを受け取りに店に行ったところ、大量のマニュアルやら説明を受け、「なんでわたしカフェで働くと決めてしまったのだ」と後悔の念にさいなまれた。否、働くという選択肢を選んだことに後悔した。

1分でも遅刻したら給料を引かれ、前日に休みの連絡を入れたら罰金。わたしは、この仕組みにものすごく驚いたが、世間様では当たり前らしい。募集要項に書いとかんかい!!とブチ切れだ。

しかし、世間知らずの小僧が働くというのはこういうことなのかもしれない。大量のマニュアルは手書きで正直読みにくいし、字がうっすい。注文は、略称で書いてあるし、「おいおい勘弁してくれよ」の一言だった。
正社員は料理も作らなければならないし、バイトの手本でいなければならない。とんでもないプレッシャーだ。

就職に焦った理由は失った青春を取り戻すため。大金が必要だった

直感で苦手な人もいたし、店長は下の名前を呼び捨てにするし。親しい間柄ならわかるが、出会って間もない人間に呼ばれるのは不快だ。
ちなみに、私が在籍していた学校の教師も呼び捨てにしていたが、軽々しく呼ぶなと内心、教師をぶん殴っていた。
もう頭は発狂している。まだ働いてないけど辞めたい。
「研修期間もあるし、やめればいいじゃないか」という声もあるかもしれない。
しかし!!わたしは親の扶養から抜けてしまったので戻るに戻れないし、「なるべく続けてね」なんて言う。
そりゃ、中学からずっと引きこもりだった娘が一念発起して、就職したのだ。当然圧がかかる。まいったものだ。

だが、なぜそんなに焦ったのかというと、わたしには大金が必要だからだ。
なぜかって?何が何でも早く整形をして失った青春を取り戻したいからだ。だから一刻でも早くお金が必要だった。
ここで思った、お金を貯めるなら期間工でもよかったじゃないかと……。我ながらとんでもない大馬鹿者だと自分の首を絞めたくなった。いや、もう絞めていた。

皆が普通に仕事をしているから思い込んでしまった。私は騙されたのだ

しまいには、行くのが嫌すぎて、不安でたまらなくなって、「新しい職場、不安」「仕事辞めたい」「なぜ人間は働くのだろう」「なぜ人間は生きているのだろう」なんてことまで考えてしまいだした。
しかし!わたしは騙されたのだ!この世間というものに。皆、普通に仕事をしているではないか。わたしにもできると思ってしまった。
誰にもこの苦しさをリアルでは伝えられないし、伝えたところで納得のいく返事はもらえない。
脳内は「仕事を覚えよう」ではなく「早く辞めたい」でしか埋められてない。
さぁ!退職届はいつ出そうか!乞うご期待!