今年の6月に入籍した。結婚式も挙げず、淡々とした暮らしの中で入籍したという事実があった、ただそれだけ。

私の中で、25歳までに結婚したいという密かな野望は昔からあった。
両親が晩婚だったので、親から割とはやいうちに結婚しろと言われていたこともあるし、何となくの結婚願望というものは漠然と抱えていた。
だけど、実際そうはいっても相手との問題がと思ってはいたが、大学生の時に知り合った同級生の彼氏と気がつげは付き合いが長くなり、そうかと思えばあれよあれよと言う間に話が進展し、社会人2年目になった年明けに双方の両親に挨拶、指輪を選び、簡単に結婚の写真を取り、引越しを済ませ、6月に入籍した。
結婚はタイミングとはまさにその通りだと思う。当の本人達が一番驚いているほどのスピード感での出来事だった。

昔、思い描いていた理想の結婚相手とは、かけ離れている旦那

旦那は、昔思い描いていた理想の結婚相手像とはかけ離れている。
理想の結婚相手像の一つ目は、イケメンということ。
私は元来それなりの面食いで、数多くのアイドルの追っかけをしてきた。
昔友達と語り合っていた結婚相手像のまず第一条件に挙げるほどの面食いで、ぱっちり二重の鼻が高い、すらっとした人がタイプだった。
旦那は、超が付く痩せ型で、確かにすらっとはしているけれど、心配になるくらいガリガリの一重だ。
まあ、タイプくらい変わるよねと自分で思いつつ、あまりのギャップに少し笑ってしまう。
理想の結婚相手像の二つ目は、高収入であるということ。
昔の自分は社長と結婚するとか理想の高いことばかり言っていたが、まあ現実はそうもいかない。
旦那の給料はいいとこ平々凡々な新卒会社員の平均、と言った感じだ。
昔友達と挙げた理想の結婚相手像の三つ目は、芸能人だということ。
これは言わずもがなで無理がある。あと別に今は芸能人じゃなくてもいい。

結婚の決めたきっかけは、旦那のプロポーズもどきの一言だった

じゃあ何で結婚を決めたかというと、それは旦那の一言だった。
大学時代から何となく付き合いが長くなっていた私達は、記念日も適当に過ごすしデートも碌(ろく)にしないし連絡もまめに取らない。
特別ラブラブという訳でもなく、どちらかと言うとお互いダラダラとしたカップルだった。
ある日、ふと寝る前におしゃべりしていたら「落ち着くね」と旦那が言った。
「何が?」と聞き返すと、「この感じだよ」と眠いのか旦那が目を擦りながら言う。
「このまま一生脱力感ある感じでいきたいね」と言って、寝た。

その時は、なんだよと思ったが、私も言われたことを反芻しながら眠りに付き、じわじわ嬉しかった。プロポーズもどきの言葉に数日ニヤニヤは止まらず、嬉しさは続き、うっかり親に話してしまい、そのまま結婚になったのが気が付けば一連の流れの発端だった。

この落ち着く空気感が心地良く、変に気張らないで済むのが一番の理想

落ち着くことが一番だなとつくづく感じる。このダラダラとした空気感が私には心地良く、変に気張らないで済むのが一番の理想なんだと思う。
二人で話していて眠くなってくれるのも、喋ってる途中で寝る自由さも、結婚って変に気取らないのもなんだかんだでそんな旦那が愛おしい。
将来的に私はやっぱり一人でいることを選ぶかもしれないし、旦那を越える理想の人が現れるかもしれないし、なんだかんだ旦那と一緒にいるかもしれない。
だけど、人生の中で最期に隣にいてもいいかなと思う人の側にいるだけで、何となくほっと息が落ち着く気がする。

昔の自分に伝えたいことは、理想の結婚相手像の中に、一緒にいて落ち着く人もいれよう、ということだ。
結婚とは脱力、今の私が感じている最強の答えの一つと言えるだろう。
これからもゆるく私達なりのペースで時にはぶつかることもあるだろうけれど、「一生脱力感ある感じで」いきたいので、その度に初心を思い出して、肩の力を抜いていきたいと思う。それが、私の結婚。