髪を切りました。本当はヘアドネーションをするためだったけど、あなたへの思いも捨てられたら、と思って背中まであった髪をショートカットに切りそろえてみました。
どこにでもありがちで、ベタな話ですよね。自分でも笑ってしまいます。頭は軽くなったけど、私は変わらないままです。

小学4年生の時に出会った彼。再会しても素敵で尊敬する大人のまま

笑った顔が好きでした。クシャッと幼く笑うあなたの笑顔が大好きでした。大事な人たちを大事にできる強くて優しいあなたが好きでした。
あなたの自由な生き方が好きでした。努力を人に見せない器用で不器用なあなたが好きでした。あなたを想うと、もっとずっと頑張れました。
全部、全部、伝えられなかったけど、本当に私はあなたが大好きでした。
9歳も年下な私は、あなたからしたら子供だったでしょう。「お子ちゃまだな」って笑われたこともありましたね。小学4年生の冬。初めてあなたを見たとき、なんて鮮烈な人なんだろうと思った記憶があります。

強くてかっこよくて見ていて痛快でした。当時はよく構ってもらって遊んでもらいましたね。
大学生になって、久しぶりに会ったあなたは全く変わっていなくて、私にとっては男の人というよりは大人の人のままでした。素敵で尊敬する大人でした。
でも、あなたに触れてもらったら、嬉しくなってしまった。あなたと一緒に歩く自分を想像してしまった。あなたを支えたいと願ってしまった。
浅はかな私を許してください。私は結局、自分のためにしか生きられなかった。この関係性の名前を知ることが、怖かった。

「最初からなかったことにしたい」と告げて、私は逃げた

私って、何なんですか。あなたにとって、私とはなんですか。言えるはずもありませんでした。自信なんてかけらもない。
あなたに惹かれる女の人なんて沢山いるんでしょう。私といるより他の人といる方が楽しそうだなんて思ってしまったら、耐えられなかった。だから、好きの一言も言えずに、「最初からなかったことにしたい」と一方的に告げて、あなたから逃げました。
「分かった」とひとこと返信が帰ってきたとき、夜通し泣いてしまいました。あなたを好きでいることが辛くなってしまった。嫌われたくないなんて思う自分が気持ち悪くて、失うのが怖くて、なにもかもが分からなかった。

知るのも、考えるのも、行動するのも恐ろしくて、逃げました。傷つくことが怖かったから。あなたの力になりたいと宣いながら、あなたの傷を負うことが、私にはできなかった。
あなたは今でも笑ってくれます。あなたとのことは誰にも話したことはありません。本当に何も無かったみたいに、前と同じに私を扱ってくれます。

19歳には大人な恋だったのかもしれない。私はまだ子供だから

なんてわがままなんでしょうか。私はたまらなくなります。あなたを見ると泣きたくなってしまいます。
これがどんな気持ちからなのか分かりません。ただ苦しいことだけが確かです。きっと誰にも理解されないかもしれません。それで良いのかもしれない。
今だって、あなたがいれば頑張れるし、あなたの力になりたい気持ちは変わっていません。
一緒に仕事ができたらいい。私を使ってもらえたらいい。そばで見られるだけでいい。

全て保身のためなのに、綺麗な言葉で無理やりまとめてしまいましたね。ただただ、あなたを想うこの気持ちが死ぬまで、じっと耐えるしかないのかもしれない。
また髪が伸びる頃には、また違う私になっているかもしれない。19歳には大人な恋だったのかもしれない。子供な私では、きっとあなたには釣り合わない。
未熟で拙い恋でした。言い訳ばかりでごめんなさい。どうか終わりが来るまで、あなたを想わせてください。