LINEは便利だけど、「本物」じゃないからトラブルの原因に

SNSとは非常に便利なもので、その場にいない友人や、知らない人とも気軽にコンタクトがとれる。まるで本物の人間関係の代わりになりそうなくらい、私たちの生活になくてはならないものになった。

特にLINEは日本ではかなりの市民権を得ていて、ほかのツイッターやインスタグラムに比べると、やっていない人を探すほうが難しい。

LINEは便利だ。LINEがない生活など、今では考えられない。学校でも会社でもサークルでも、どこでも決まってLINEを使う。挨拶も、お礼も、告白も、喧嘩も、別れ話もLINEひとつでできる時代だ。だけど、それが「本物」でないことを自覚しないことには、あらゆるトラブルの原因になるだろう。私もそのひとりだった。

面とは言えないことをLINEで送りつけられ、あっさり終わった友情

私には、小学生の頃からの友達がいた。趣味が合うこともあり、付き合いは大学生まであった。つまり10年以上に及んだ。思い出は数知れない。人生の半分以上をともに過ごした仲で、これからも末永く付き合っていくのだろうと思っていた。

しかし、10年の友情はあっけなく終わりを告げた。環境が変わることで、互いの価値観はどんどんすれ違っていき、ついに友情はLINEの上で途絶えた。
きっかけは些細なことだったが、面と向かっては言えないような罵詈雑言を、LINEで長文で送りつけられたのだ。送る側にとって、これほど便利な媒体はないのだろう。相手の反応も見ずに済むし、その場で喧嘩騒ぎになる心配もなければ、その後の謝罪もLINEでできる。そうやって、かつて友達「だったひと」は、一方的に私を攻撃して消えていった。

今だからこうして冷静にエッセイを書けるが、私は当時この件をかなり引きずって、あろうことか自分を責めてしまった。相手するだけ無駄なのに、10年の情はそう簡単に切り捨てられなかった。ちょうど別件で心が弱っていた時期でもあり、そこにクリティカルヒットしてしまったのである。
結局、彼女のことを心理的に切り捨てるまでに3か月もの時間がかかってしまった。非常に無利益な心労だったと思う。

SNSの文章は現実じゃないことを理解して、うまく利用すること

近年はよく、SNSでの事件がニュースで取りざたされる。SNSいじめ、ストーカーに詐欺、性犯罪……。中にはそれが原因で、大切な命や人生をつぶされてしまう人がいる。

たったひとりとのトラブル処理に3か月もかかってしまった私には、誹謗中傷などとても耐えられないだろう。だから今後は、「SNSの文章は、現実に言われたこととは違う」と理解して、うまく利用していきたいと思う。
そして誰かの人生をつぶしてしまわないために、「面と向かって言えないことはSNSでも書かない」という、当たり前のマナーを守っていきたいと思う。