私は家族を愛している。そして、愛されて育ってきた。それは紛れもない事実だ。
苗字が変わり結婚したとて、その想いはかわらない。
だがそれ故に個人の人生に少し介入し過ぎている気がする。これは、俗に言う過保護というやつだと気付いたのは自分を、家族を、客観視出来る様になってからだった。

母や祖母が、成人を越えた娘に洋服を買ってくる。我が家では当たり前の事だったが、結婚してそれが当たり前でない事がわかった。
思いやっての行為だとは理解している、そしてその行為を当たり前だと思い、喜んでいた私は主人にも喜んでほしいと同じ事をしている。
過保護なのが悪い訳ではない。寧ろ愛情だろう。しかしその洋服が似合わない、体型が、などの容姿また個性について口出しするのは如何なものかと私は思う。
家族だから何を言ってもいい訳ではない。親しき中にも礼儀あり、とはまさにこの事なのだ。

実を言えば、私は何度も家族の言葉に傷つけられてきた。そういう事を言わないで欲しい。そんな一言さえ言えず、ただ自分を否定する様な言葉を言われた時は悲嘆に暮れた事を覚えている。
この場を借りて言いたい。私はあなたたち家族を愛している。愛しているからこそ傷つけたくない。愛してるからこそ傷つけられたくない。
どうか、みんな、穏やかで。健やかに。
家族の心や身体を傷つける人間が現れない様にと願うばかりなのに、それが当人の家族じゃ意味がない。
それでも、私はその言葉を受け入れまた家族を愛するのだろう。