2017年1月1日、家族で新年を祝う日、私はこの日、父の言葉に救われた。
高校3年生だった私は、毎日受験勉強のために夜遅くまで机に向かっていた。祖父母と一緒に暮らしており、お正月は家族皆でおせち料理を囲んでいた。
祖父はいつも姉、私、妹それぞれに、今年はこういう年にしなさいと、そんな話をしてくる。私はどうしようもなくこの時間が嫌いだった。そしてこの日、祖父は私に「受験勉強頑張れよ」と当たり前のように言った。
その当たり前のように向けられた一言は、なんとか保っていた心を一瞬で壊していった。この人は私のことを見てくれていないんだ、そう思った。
この時私がうなずくだけで話が終わっていたとしたら、耐えられなくて泣いていたかもしれない。
でも父が言ってくれた、「もう頑張ってるよな」と。
この言葉に本当に救われた。父は口数も多くはないし、普段遅くまで仕事をしていて会話をすることはほとんどなかった。それでも、私が毎日遅くまで勉強していることを知っていた。祖父の言葉から私を庇うように、頑張ってると言ってくれた。
私はこの時のことを一生忘れないと思う。
そしていつか、この時のことを父に話したい。ありがとうと伝えたいと思う。