家族に伝えたいことは山ほどある。でも、そのどれもが伝えられていない。いや、伝えることを許されていない。
過干渉な親だったと思う。私のやることすべてが、親からしたら間違っていて、親の正しさを押し付けられてきた。それは進学先就職先の大きなことから、部屋の家具や持ち物、小さいことまでだ。
そこまでか、と印象に残っていることがある。
大学進学にあたり一人暮らしをするうえで、必要な家具を「どれがいい?」と聞いてきたので答えると「こっちの方がいい」と言って、私の新生活の部屋は、父親カスタマイズの部屋になった。
一人暮らしを始めてから、自分で何でも決められるという自由を知った。それでも就職先を決める時は揉めた。母に公務員講座を受けなさいと、断ったのに金を半ば無理矢理押し付けられた。
流されるように私は公務員になった。両親の満足する形になった。しかし、私は上手く働くことができず心を病んだ。
抜け出すために、私は自分のしたいことをすることに決めた。興味のあったことに手を出し続けた。楽しさを知った。似たような人に出会い、恋をした。結婚を考えていると姉に伝えたら罵倒された。
衝突しても伝わらないことがあることを知っている。だからこれだけ言いたい。
私は元気で、私がカスタマイズした部屋で、私は私の意志で今、生きている。