父上、母上、本日私は、大学院の願書を出してまいりました。
自分の本当にしたいことがわからなくて、どう歩けばいいのかわからなくて、立ち止まったとき、進学を勧めてくれたね。そんなあなた方に言えていない言葉がたくさんあります。

私はそのとき、どこか腑に落ちなくて決めきれなくて、まだもがこうとしていました。翌年の春にまだ学生でいる自分を受け入れられませんでした。勧められるがまま、自分が流れていくようで嫌でした。
兄2人は立派で、私は苦しくて。あなた方は決して比べることなんてしないのに、わかっているのに、焦燥感がどんどん私を追いかけてくる。
「大学院にいく」。この一言を心から素直に言えませんでした。
そんな私に、「就職してもいいし、院にいってもいい」と言ってくれました。私は選ぶことができるんだと思えました。
だから私は選んだよ。私ひとりの心の奥で自分を見つめました。あなた方がいつも私を見つめてくれているように。だからこの言葉を言えるようになるまで時間がかかりました。

私、大学院に行く。
たとえ私がどこに進んでも見守ってくれるから、決めることができました。
本当に、本当に、ありがとう。まだ直接言えていないけど、心からありがとう。
だから、今日、願書を出してきたよ。筋金入りの願書をさ。