旅に行くことで、私は私をリセットできる。私のためのガス抜き方法、それが旅だ。

今の夫と付き合い初めてから7年。私たちは毎年のように海外に旅行に行くようにしている。

辛くても楽しいと思える職場に巡り合えたのは、旅がきっかけ

付き合って1年目に行ったのは台湾。当時社会人1年目で、慣れない仕事に心身ともに疲弊していた私に、今のままでは良くない、と気付かせてくれたのがこの旅だった。
数ヶ月やってみても配属された営業部が自分には合わず、先輩や上司に毎日怒られる日々。そんな時間は無駄な時間だと、香辛料の香りや市場の熱気が気付かせてくれた。

部署異動を願い出て、無理なら転職しよう。今の職場だけが働く場所だと考えてしまっていた自分の視野を広げてくれた。

今思えば、休日のデート中でも社用ケータイが鳴らないかとビクビクしていた私を見て、圏外の場所へ連れ出そうという彼なりの優しさだったのかもしれない。

結果的に部署異動が叶い、辛くても楽しいと思える職場に巡り合わせてくれたのは、この旅がきっかけだった。あのまま無理にあそこで働いていたらと思うと、今でもゾッとする。

「子供は?」と聞かれるように。不安に駆られる毎日へ

それから毎年恒例となった海外旅行は、私の鬱憤をリセットし、凝り固まった考えを解きほぐしてくれるものとなった。

恋人との海外旅行をしたのもお互い初めての経験で、それでも異国の地でも大きなトラブルもなく、行きたい場所ややりたいことを2人で話し合って予定を決められる。友人や家族と行くよりも居心地の良さを感じられたことは、私にとっても彼にとっても、この人と結婚しようと思う大きなきっかけになったと思う。

30歳を目前とした今。恋人から夫婦へと関係性が変わってもこの恒例の海外旅行は変わらない。

しかし結婚して3年。周囲から「子供は?」と聞かれるようになった。私たちは変わらなくても、歳をとって、周りが自分達に考えることは変わっていく。

子供は出来ることなら欲しい。そう思い取り組んでみた1年間。

もし妊娠していたら飛行機怖いな、生理がきてから飛行機乗りたい。そんな風に感じながら、何もなく月日は過ぎ去っていき、どうして子供ができないのかと不安に駆られる毎日へと変わった。

何気ない言葉を必要以上に考え込む。そうして凝り固まった心を解す旅

そんな私に夫が言った。
「旅行に行こう」

初めは何を呑気な、と呆れと怒りが込み上げてきたが、旅行の準備をしていると苛立ちよりも楽しみが勝り、友人たちからも「子供がいない内に色々行った方がいいよ!」「羨ましい!」という声が上がった。 

そして私はまた気が付いた。
周囲から投げられる言葉は私を苦しめることも多いが、そこには悪意も善意もなく、ただ発しているだけなのだと。

子供は早く作った方がいいよと言う一方、子供がいるとできなくなることが多いので2人でいる内に色々した方がいいとも言う。考えればこれらは矛盾していて、いいなと思えばいいなと言う。気になることがあれば聞く。ただそれだけのことだった。

もちろん子供のことは子供のことで考えていく必要があるだろう。でも私は私を必要以上に責める癖がある。何気ない言葉を必要以上に考え込む癖がある。

そんな私の癖によって凝り固まってしまった心に、旅に行くというきっかけが気付きを与えてくれ、モヤモヤを発散してくれる。

私の中で旅行とは、準備段階から始まる。
日々蓄積されて凝り固まった考えは異国の地に捨て、リセットして家に戻る。
そしてまた凝り固まっていく心を解すため、私たちは旅に出る。

次の旅では何に気付けるかな。