クリスマスは当たり前のように仕事があった。
仕事場で、「クリスマスどこにも出かけないの?」「誰かと過ごしたりしないの?」と話をふられる。
私はクリスマスでも祝日でも関係なく仕事があった。でも、それが私にとっては当たり前。クリスマスだからといって特別なことはほとんどなく、ケーキを食べるくらいだった。

数々のサプライズ。クリスマスを特別な日にしてくれた

でも、今の彼と出会ってから、クリスマスが特別になった。
普段はのんびり屋の彼。仕事以外は寝て食べて寝て食べての繰り返し。「ダイエットしなきゃ」と言いながらお菓子を食べてゴロゴロ。やる気のない姿しか見られない。
しかし、そんな彼は数々のサプライズプレゼントをしてくれた。どこでそんな技術を覚えたのかと驚くほどだった。

初めて一緒に過ごしたクリスマスは、最高の思い出だった。
おいしい手料理のおもてなし。そして手の込んだプレゼント。
ラッピングされたプレゼントの袋を開けると、首にリボンをつけたかわいいハリネズミのぬいぐるみが入っていた。首のリボンを外すとキラキラ輝くハートのネックレス。本命のプレゼントはハリネズミのぬいぐるみではなく、こっそり隠してあったネックレスだった。
驚きの後に感じたときめき。あの瞬間は今でも覚えている。

そのクリスマスサプライズから、私はクリスマスが特別な日になった。
翌年のクリスマスは一緒に食事に出かけた。その翌年は一緒に旅行もした。その翌年は手作りのクリスマスケーキを作ってくれた。
手の込んだクリスマスプレゼント。もちろんプレゼントは嬉しいが、それ以上に彼が私のためにいろいろ考えて、プレゼントやサプライズをしてくれたことが何より嬉しかった。

彼がその場で買ってくれた、今年のクリスマスプレゼントは…

そんな彼と付き合って5年。
少しマンネリ化してサプライズは徐々に減ってしまった。コロナもあいまって、出かけるとしても近所のみ。旅行も行けないし、「今年のクリスマスはのんびりでいいね」と簡単に済ませるようになっていった。
少し残念な気もしたが、仕方ない。付き合い始めた頃は全力で喜ばせようとしてくれるものだけど、もう5年。そんな気持ちもそろそろなくなってきたんだろう。きっと付き合い始めた頃のときめきや好きな気持ちは落ち着いてきてしまったんだろう。

でも、彼は私のことを好きな気持ちは変わらないとわかった。
今年のクリスマスに彼がぽつりと言った。
「少し早いけど……これ、クリスマスプレゼントでいいかな」と指をさしたのはダイヤの入った指輪だった。
「これ買おうと思う、はめてみて」
サンプルだったが左手の薬指にキラキラ輝く指輪。左手は汗ばみ、理由もなくクルクルと回し、指を曲げたり伸ばしたり、緊張して落ち着かなかった。
「きれいだね」
彼が私の汗ばんだ左手をソッと握り、その場で指輪の購入をした。
クリスマスプレゼントに彼は、私の婚約指輪を買ってくれたのだ。

今年で、クリスマスの思い出がまた1つ…増えた。

山ほど思い出を作って、ステキな人生にしよう

私は彼のことをまた好きになった。
彼と一緒にいたいと思った。
だらしなくて、頼りないところもあるけど…私は彼の愛を知った気がした。だから、彼と結婚しようと思う。

クリスマスの思い出を今度は私が作ろう。

メリークリスマス。
これからも人生いろいろあると思う。でも一緒に乗り越えて、幸せな生活しよう。
好きだよ。出かけるときも、人目を気にせず手を繋いでくれるとこ。腕を組んで歩いてくれるとこ。仕事場まで迎えにきてくれること。
これから死ぬまで、あなたといたいと思った。
クリスマスはもちろん、これから山ほど思い出を作って、ステキな人生にしよう。

私と、結婚しよう。