大学1年生の夏、大学の研修旅行で2週間、はじめての海外旅行でカナダへ渡った。
カナダのヴィクトリアという、学校への道のりだけで鹿やうさぎと出会えるような長閑な場所だったが、私にとっては道路の信号でさえ、日本と違う一瞬一瞬にわくわくさせられた。
はじめての海外。なんてことない景色にただただ魅了された
海外ってなんて新鮮なんだろう!外に出て空を見るだけで知らなかったことを知った気になった。
千葉の夢の国に人並みにわくわくできない私なのに、ヴィクトリアの人にとってなんてことない景色が私にとっての最高の夢の国だった。
何が私を高揚させたのか――。
知らない土地、知らない言葉、そんな私に見向きもしない人々に、ただただ魅了されたんだと思う。
その翌年は中学生の時にみた大好きだったアーティストのMVでステレオカメラに写ったスウェーデンが忘れられず、北欧一人旅を決意した。
常に新しい何かに、自分の気が向く方へ。私はわくわくしていたい
はじめての一人旅に、はじめての北欧、わくわくしかなかった。
フィンランドで知り合った日本人のお姉さんたちにオススメされたエストニアへ、その場で翌日のフェリーを予約して向かったりもした。
不安もあっただろうけど、不安だった記憶は忘れた。
一人旅を終えてからも、友人たちとクロアチアやイタリアにも行ったし、社会人になってからは2週間前にシンガポール行きを決意し、同期を振り回した。
留学した従姉妹に会いに、オーストリアにも一人で会いに行った。私より先にオーストリアで数日滞在していた叔母とは一晩だけ語り合って日本行きを見送った。親戚もそんな突飛ない人ばかりだから、両親も私の奇行は慣れている。
私はきっと常に新しい何かに、自分の気が向く方へ、わくわくしていたいんだと今は、確信してる。
彼氏とのお別れに寂しさもあったけど、1人の時間にわくわくもした
感染症が流行る前にはじめての彼氏ができた。
楽しくて仕方なくて、だいすきで離れたくなかった。
毎年恒例だった海外旅行は時勢柄か、彼との離れたくなかったからか、行かなくなった。
四季を一周して、お互いの両親にも会って、きっと結婚するんだと思っていた。
けれど、更に四季を一周する前に彼との心の距離が離れていっていることに焦り、彼に合わせるようになって、どんどん自分が見えなくなった。
仕事の転勤と同時期くらいに彼とお別れした。
もちろん寂しさもあったし、何か他愛無いことがあれば彼に話した習慣がまだ消えずにどうしていいかわからなかったりもしたけど、久しぶりの新しい1人の時間にわくわくした。
新しい業界に転職し、魅力的な仲間に会った。
私はやっぱり知らない自分に大人になってもまだ会えることが楽しくて仕方ない、だから旅はやめられない。
人生も旅行も楽しくて、たまに大変なこともあるかもしれないけれど、どんなことも私らしく楽しそうに進めたら、どんな過程も最高の時間になると思う。
6年で10カ国回った海外旅行も、彼との時間もお別れも、私にとって必然的で、最高の経験だ。
これからの私の旅も楽しみで仕方ない!