わたしにとって旅とは人生に必要なことを学べるものであり、人生に潤いを与えてくれるものだと思う。

幼い頃のわたしは旅の魅力がよくわからなかった。家族で行く遊園地や水族館は大好きだったが、観光地へ行くのはなにが楽しいのだろうかと思っていた。
景色は写真や映像でも見ることができるし、食事だってわざわざ遠くに行かなくてもおいしいものはたくさんあるし、お菓子の方が何倍もおいしい。移動に時間もお金もかかるし、なぜ旅へ行きたがるのか理解できなかった。

旅の魅力がわからないまま社会人になったわたしに、転機が訪れた

こんな考えのまま社会人になったわたしに転機が訪れる。
就職してから仲良くなった同期に、夏期休暇を利用して旅行しないかと誘われた。あまり気分が乗らなかったが、せっかくの休暇なのに全く予定も考えていなかったし、働きはじめて自由に使えるお金もあったので行ってみることにした。

行き先は友人の希望ですでに決まっていた。しかし、そこで何をするのか、どこを訪れるかは決めていなかった。調べ方がわからなかったのもある。
お互いに今までの旅行は両親や友人が手配してくれており、移動手段の確保の仕方もホテルの宿泊予約の仕方もわからないわたしたちは、旅行会社で話を聞いてみることにした。
旅行会社のスタッフは丁寧に説明してくれて、おすすめの観光地や過ごし方なども教えてくれた。新幹線の時間やおすすめの宿の空き状況も調べてくれたので、その場で旅行の予約をした。当時は旅行会社ってこんなになんでもやってくれるんだ!なんて感心していた。

新しい発見や感動に出会える旅は、わたしの人生を潤わしてくれる

初めて自分たちで予約した旅行は不安もあったが、とっても楽しかった。景色は映像で見るのと実際に自分の目で見るのとは全然違っていた。光なのか風なのかにおいなのか、うまく表現できないが、実際の景色は素晴らしいものだった。
食事も素晴らしかった。海なし県に住むわたしは、新鮮な海鮮の美味しさに驚いた。そこでしか味わえないという特別感が美味しさを倍増させるのかもしれない。このことをきっかけにわたしは旅の魅力に気づいた。

翌年の夏期休暇には飛行機とレンタカーを手配してもらい、さらに遠くを旅した。次の年には一人旅をした。このときには夜行バスも飛行機もレンタカーも旅行先でのレジャーも自分で手配した。さらに次の年には初めて海外を旅した。
その後もいろいろなところを旅した。毎回新たな発見や感動があった。旅を重ねることで自分の経験値が上がっていくような気がして、自分に自信を持てるようになっていったと思う。自分には何もないと思っていたけれど、たくさんの思い出が積み重なっていった。旅は間違いなくわたしの人生を潤してくれた。

わたしの人生を豊かにした旅を、これからは家族でいろいろな場所へ

現在は新型コロナウイルスの流行があり、気軽に旅ができなくなってしまった。本当はまだまだ行きたいところもやりたいこともたくさんある。でも今は我慢だ。
それにわたしは春に出産を控えている。遠出は難しい。そのため、最近は今後の旅行のことを考えている。
親子3人で行くとしたらどんなところがいいだろうか。きっと今までの気軽な一人旅のようにはいかないだろう。大変なことも多いだろうが、娘の笑顔に癒されるんだろうな。もう少し大きくなったら、娘と2人で旅をしてみたい。きっとパパには内緒の話を聞かせてくれるだろう。
もっと大きくなったら一人旅を勧めてみよう。すてきなお土産話をたくさん持って帰ってきてくれるはずだ。その頃には夫と2人で旅をするのもいいだろう。長年連れ添った2人にはどんな景色が見えるだろうか。
旅がわたしのそばにあるおかげで、わたしの人生はとても豊かなものになった。これからもいろいろな場所を旅したい。