「あなたは何色ですか?」そう聞かれたら答えは決まっている。「赤、オレンジ、黄色」その3つのどれかを言っておけばいい。明るそうな色だ。
でも、それは私の色ではない。周りが求めている私だ。

周りを明るくするだけの自分に「違和感」を持つようになった

小さい頃から「周りに優しく、明るくしていなさい」というのが親の教えだった。おそらく私も本質的に人を笑わせたりすることが好きだったので、何の気にも止めていなかった。
ただ中学に入る前、「演劇部とか入ってみたいねんなぁ」と母親に言ったとき、「運動部じゃないとだめだ」と言われたことに違和感を持ったことを覚えている。
また、「インキャはこの家から出て行かなあかんで」と言われたとき、暗い自分を出したらダメなのだと思ったことも鮮明に覚えている。
そうやって、なんだかんだ少しの違和感を持ちつつも、周りが笑っていてくれたらまぁそれでいいやという気持ちで毎日を送っていた。

しんどいとき、誰にも「悩みを相談できないこと」が私を苦しめた

しかし、ここ最近そんな自分でいることにしんどさを感じていた。
どうしても人の前に行くと、人前スイッチが自動的に押されてしまう。どこにいても盛り上げないとって思ってしまう。「面白いこと言って!」とふられることもよくあり、その日自分の気持ちが落ち込んでいたとしても、空気を悪くしてはいけないと頑張ってしまう。

また、表情に出さない分「何も悩みなさそうでいいなぁ」とよく言われる。そう言われるたびに、そうならなくてはいけないんじゃないかと思い、完全に悩みを言わない人間になった。
悩みを言わないもう一つの理由として、自分が悩みを言うことでそれを聞いた相手は、明るくならないと思っているからである。

そうやって生きてきた私は、一日のほとんどの時間を私ではなく周りが求める私として送っていた。本当はしんどくても誰にも言えない、むしろ悩みを誰にも言えないことが悩みにもなっていた。

他人の求める自分を演じてきた私にとって「個性」は謎めいている

個性を大事にしなさいと今の時代は言うけれど……私の個性って何ですか、誰と会ってるときですか、どんな状況のときですか、どんな顔をしているときですか。
そのときどきで自分の求められている自分になりきって生きてきた私にとって、個性という言葉はとても謎めいた言葉である。そして、とても重い言葉でもある。

今までは自分にも嘘をついて、それが自分らしさだと偽って生きてきた。
けれど、もうそんな自分にも疲れてしまった。自分のことを誰も知らない土地に行きたいとすら思ってしまうときもある。
本当の自分はどこにいるのか。本当の自分だったらどんな対応をするのか。どんなことをしているときが一番素の自分なのか。

2021年は何か違う自分に気づけた。だからこそ2022年の私の宣言は、「本当の自分の色を見つけること」。
そして、まず自分がその色で楽しく毎日を送りたい。誰かに悩みを打ち明けられるようにもなりたい。そこからその色のまま周りの人も幸せにできるような方法を見つけていきたい。
これを読んで頂いた方が自分の色を考えるきっかけになり、一人一人が幸せになる色を見つけることができたらいいなと思う。