特集:「わきまえない女」の日常

あの日選べなかった黄色いランドセルを背負い、わたしの道を歩く

「わきまえない女」の日常

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「女の子なんだから」「普通にして」。小さい頃からよく言われてきた言葉たち。別に女が嫌なわけじゃないけど、わたしらしくいたい。ずっとずっとそう思いながら生きてきた。

ランドセルを選ぶとき。赤とピンクが並ぶランドセルコーナーに1つだけ黄色のランドセルがあって。今となってはブルーもオレンジもラベンダーもキャメルもなんでもアリの時代だけど、わたしが小学生の頃は当たり前のように赤かピンク。
「これがいい」と黄色のランドセルが輝いて見えたわたし。普通の女の子に育てる予定だった母はもちろん赤。
結局当時6歳だったわたしは大人たちの説得に負けて、赤いランドセルを背負って小学校に通った。

小さいころに感じていた「ズレ」は、上京し働き始めてから顕著に

「手に職をつけると子どもを産んだ後でも働けるし、どこでも働けるよ。看護師がいいんじゃない」
「大学は推薦で入ると楽だよ」
普通の子に育てるつもりだった父は、わたしに勉強をするように言った。テストでいい点とるのが当たり前、おかげで通知表はほぼ満点。高校生を全力で楽しんでいて将来のことなんて全然考えてなかったから、入試が楽そうだな〜ってなんとなく選んだ大学の看護学部に進学、もちろん推薦で。

両親とは昔からずっと今でも仲がいいし、ここまで育ててくれたことを本当に感謝している。遺伝的に超がつくほどスーパーポジティブなので、与えられた環境は全力で楽しめるし楽しむタイプ。
ただ小さい頃から「ズレ」を感じて生きてきて。大学も無事卒業して看護師になって。上京して働き始めてからその「ズレ」を顕著に感じ始めた。

25歳で両親は結婚してわたしを産んだから、わたしも自然と25歳で結婚して子どもを産むんだと小さい頃から思ってた。だから24歳のときにお付き合いしていた人と結婚も考えた。

24歳、コロナ禍で強制的に立ち止まった。
これまで全力で駆け抜けてた時間が止まった。
25歳になった。なんだ、なにも変わらないじゃん。

わたしの人生、どうやって生きていこう。考えて考えて考えた

看護師ができないわけじゃない。別に普通にできる。絶対必要な仕事だし。普通のOLさんよりお給料もいただけるし。でも違う。やりたいことじゃない。定年が75歳になりそうなこのご時世、わたしはあと何十年もやり続けるのは無理だ
(だから看護師として働き続けている先輩方は、みんな大尊敬だし大好きだし大感謝です)。

考えて考えて考えた。
どうやって生きていこう。
わたしの人生はわたししか歩けないから、やりたいことやらないと。
なんで25歳で結婚して子どもがほしかったんだっけ。生物学的に早いに越したことないのは間違いないけど、別に今じゃなくてもいいんじゃないのかな。

ちょうどSNSの広告で、働きながら通える学校の広告が流れてきた。昔から興味がある分野。高校生の進路選択のときに選べなかった道。なんとなく流してしまった道。運命だと思って看護師をしながら学校に通い始めてもうすぐ1年。

楽しい。楽しい。楽しい。
働きながら課題をこなすのは、ご飯食べる暇も寝る暇もないくらい大変なときもあるけど、それ以上に超楽しい。
空間のデザインを一人前にできるようになりたい。
やっぱり色とか柄が好きだな、カラーコーディネーターの資格も取ろうかな。
あれ、わたし自分の意志で選んで歩けるようになってるじゃん。

これからは黄色いランドセルを背負ってわたしの道を歩いていく

これまでの人生に後悔はない。看護師になったおかげで出会えた大切な仲間もたくさんいるし、普通に生きてたら接することのなかった何万という人たちの価値観や生き方に触れられた。

だから後悔はないけど、次のステージに進む時が来たから今年度いっぱいで今の仕事はやめる。
これまでの経験も活かして、わたしだけの空間デザインができるようになるといいな。

両親にこのことを言ったら、「こんな子になるつもりなかったんだけどな。あのとき黄色のランドセルにしてあげたらよかったね、ごめんね」って。普通が嫌いだから「こんな子」ってのが最高の褒め言葉。ありがとう。

もう26歳で歳とったな〜って思うことはよくあるけど、いつだって今が一番若いわけだし、自分史上で一番旬でありたい。
これからは黄色いランドセルを背負ってわたしの道を歩いていく。
これからどんな人に出会ってどんな世界を見ていくんだろう、最高に楽しみ。

みんながみんな、好きな色を選べる社会になりますように。
そしてこんなわたしを許して一緒にいてくれる人たち、みんなありがとう。

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