2022私の宣言
私が目指すものとは?そう問うた大学編入。
失敗じゃない。前進なんだ。
2021年、怒涛の1年だった。
私は大学の編入試験に挑戦した。小学校教諭になるためだ。
不合格で気づいた本当の気持ち。「教育」に関わりたいと思うように
大学入学時、社会学を学びたくて今の大学を選んだ。だがそれは、第一志望だった教育学部の大学が不合格だったから進んだ道だった。
進路希望が教員と社会学の二択だったから最初はよかったものの、いざ不合格を実感すると、このままでは教員の道が完全に絶たれてしまうと急に怖くなった。
「やっぱり教員になりたい」
初めて自分の本心に気づいた。
2020年、大学生活はコロナ禍でのスタートだったから、対面授業が始まるまでは一人暮らしも先延ばし。実家にいても外に出ることなく、毎日時間が過ぎるのをただ待つだけ。これほど1日が長いと感じた日々は初めてだった。
6月ごろ、ようやく一人暮らしを始めたものの、家にこもる生活は変わらなかった。人と会うわけでもなく、初めての一人暮らしは寂しかった。今では考えられないほど寂しくて、よく一人で泣いていた。
けれど、大学がオンラインの今だからこそできるなにかがあるのではないかと思い、自動車学校に通い、バイトを始めた。こうして少しずつ自分の生活をしていく中で、教員になりたい思いから、教育に関わるなにかがしたいと思った。
始めた学習指導員。子どもたちを思うほど忙しくなる毎日は魅力的で
コロナもあってなかなか見つからないとき、大学の事務を通して地域の小学校で「学習指導員」として関わる案内が来た。実際に授業に入って子どもたちの学習をサポートしたり、先生の仕事を手伝ったりする。その内容は、私が求めていたものとどんぴしゃり。
すぐさま応募した。そして、勤務できるスケジュールと学校が求める条件の一致した小学校が見つかり、ようやく求めていたものに手が届いた。気づけば11月になっていた。
そのとき始めた学習指導員は、2021年度も続けている。1年以上携わる中で、子どものたちの多様さに気づいた。1人1人の個性に加えて、家庭環境も違い、いわゆるグレーゾーンといわれる子どももいる。どこの学校にも共通することだろう。
一方、先生たちは多忙極まりない。子どもたちが学校にいる間は授業や子どもたちの対応をし、授業準備や他の業務は子どものいない時間に行わなければいけない。子どもたちのことを思って仕事する先生ほど、忙しくて大変なのがひしひしと伝わる。
けれど、私はそれを魅力だと思った。たしかに大変だけど、これだけ誰かの人生の一部に関わることができて、保護者以外に成長を見守ることのできる仕事は他にはないと思った。学習指導員をすればするほど、大学に編入して、絶対に小学校教諭になる、そして多様な子どもの1人1人の心に寄り添う先生になると強く思った。
受験した編入試験。第一志望は不合格。それでも諦めたくなくて…
実際の編入受験勉強は想像以上に過酷だった。一般入試と違って毎年必ず行われるわけでもなければ定員があるわけでもない。実施する大学も少ないし、受験科目もバラバラだ。それに経験者が少ないから、世の中に出回っている情報も少なく、対策を立てることさえ難しかった。私は普段の大学の授業もあって、テストやレポートの提出も欠かせない。
編入に割ける時間は限られてしまうし、一人で立ち向かわなければいけなくて、それはそれは心細かった。自分で決めた編入なのに、普通の大学生活を謳歌している周りの人が羨ましくて、自分はなにをしているのだろうとモチベーションが保てない時期も何度もあった。
それでも、友人や高校時代の恩師が応援してくれて、離れていても添削指導をしてくれたり、相談に乗ってくれたり、わからない問題を教えてくれたり、たくさん力になってくれた。
秋から冬にかけて受験した編入試験。第一志望が受験1校目だった。過去問と比べて自分の得意分野について問われたから、今年は当たり年だと思った。
しかし、ふたを開けてみたら不合格。なぜだか分からなかった。確かに勉強してきたし、自信もあった。そこに進む気まんまんでいたから、その後どうしていいか分からなかった。
けれど、小学校教諭になることは絶対に諦めたくない。だから、次の大学の受験に臨んだ。受験校を増やすことも両親が認めてくれて、合計4校受験した。
あとの3校は本当に辛かった。受験科目はバラバラ、しかも日程が毎週日曜日3週間連続。1校目に合格していれば解放されて遊び惚けているはずなのに……。
精神状態はぐらぐらだったが、ここでもやっぱり友人はじめ応援してくれる人がいてくれて、だから乗り越えることができたのだと思う。
編入がゴールじゃない。進んだ道を最善と思って過ごしていこう
結果は無事に3校全て合格。全て受かるなんて思ってもいなかったから、ただただ驚いた。けれど、3校受かった分、なんで1校目だけだめだったのか、どうしても心に引っかかる。やっぱり悔しかった。
お世話になった人たちに報告したとき、高校時代の先輩がこう言った。
「進んだ道が最善。私はそう思って生きているよ」
未来のことなんて誰もわからない。だからこそ、進んだ道を最善と思って日々を過ごす。
大切なのは、そこで自分がどうするか。前に進むのも自分。後退するのも自分。
春から編入先で大学生活を送ることになる。合格したけれど、全てに満足いっていないのが正直なところ。
けれど、編入するのがゴールじゃない。目的じゃない。小学校の先生になるために編入するんだ。そのための一過程として、大学生活を送っていけたらと思う。
「目指す先生の姿になるために、なにができますか?」
そんなことを自問自答しながら2022年を過ごしていきたい。
最後に。支えてくれた友人、先輩、恩師、家族。
本当にありがとうございました。