痩せている身体。小さな胸。低い鼻。
私の外見三大コンプレックス。
小学生のとき、友人のお姉さんに「痩せすぎていて本当に気持ち悪い」と言われた。
中学生のとき、部活の仲間に胸を指差されて、「一番胸ないけど、これから成長するから大丈夫でしょ」とからかわれた。
大学生のとき、友人に「鼻が低くて変な形してるよね」と笑われた。

誰かに悪く言われ、外見も内面もコンプレックスがどんどん増えていく

他にも外見についてのコンプレックスがある中で、この3つは特に周りから言われることが多くて、とにかく嫌でたまらなかった。
誰かに自分を悪く言われることで、外見だけでなく内面についても、コンプレックスがどんどん増えていった。
今思い返してみると、すごく腹立たしい。
よく面と向かってそんなことが言えるなと思う。

「ガリガリで貧乳で団子っ鼻だけど文句ある?」
「それで、私が何か人様に迷惑かけました?」
正反対の性格だったら、ガツンとこう言い返せたのかもしれない。
大人しくて周りの空気を読みすぎる私は、何を言われても言い返すことができず、笑いながら耐えていた。
良くも悪くも素直なので、言われたことをすべて吸収してしまう。
たとえ、幼少期に言われたものであったとしても、マイナスな言葉は消えずにずっと頭に残ってしまう。
コンプレックスだらけの自分は、周りより劣っていて恥ずかしいと苦しんだこともあった。
お金を貯めて、大人になったら全身整形しようかと真剣に考えていた時期もあった。

「女性だからこうあるべきだ」というステレオタイプはもう古い

でも、今はもう違う。
身体が細いのは遺伝だし、好きでガリガリでいるわけではない。
でも、身長が高い方だから、スラッとして見えてカッコいい。
胸は小さいけれど、形を整えて美しく。
バストサロンに通ったりブラで寄せたりしているから、美胸の出来上がり。
鼻だって、かなり親バカな私の母が「目と一緒で真ん丸で可愛い」といつも言ってくれるから充分。
いわゆる世間一般の意見ではなく、どんな自分でありたいかが大切。
「女性だからこうあるべきだ」というステレオタイプはもう古い。

以前の職場に「大人しくて可愛くて清楚で、気が利く女性だらけならいいのに」などと言っている人がいた。
それを実家で話したら、私の祖母は「みんな一緒だったらロボットになっちゃうよね」と笑っていた。

ステレオタイプ通りにはならない。大人しくてお利口な私はもう卒業

自分の価値観を押しつけてくる人や、"魅せる(見せる)こと"を生業とする芸能人並みのものを求めてくる人とは正直、距離を置きたいと思ってしまう。
ありのままの自分を受け入れてくれる人と付き合っていけばいい。
それから、受け身な性格を変えていきたい。
察してもらうのを待つのではなく、行動して自分の気持ちをはっきり言う。
力では勝てないけれど、心の強い人になる。
いざというときに、大切な人を支えたり守ったりできるようになりたい。
もちろん、自分のことも大切にできる人になりたい。

私はわきまえない。
ステレオタイプ通りにはならない。
大人しくてお利口さんな犬屋敷みちるは、もう卒業することにした。
ネガティブになってしまっても、切り替えてポジティブに物事を考えるようにする。
マナーやエチケットは守りつつ、もっと自分を出していきたい。

強くて、美しくて、可愛い。
そんな自分になってみせる。
そして、自分にとって幸せな人生を歩んでいきたい。