今の私が好きな怪しげな世界観が、まさしくこの本の様な世界観
ライトノベルといったらどのようなイメージを持つだろうか。
通常の小説よりもかたくなく読みやすい?表紙がイラストで可愛い女の子がよく出てくる?様々なイメージを持つかもしれない。
私が人生で1番最初に読んだライトノベルは、イラストが怪しく、怖く、綺麗だった。そして、言葉がやや難しかった。
「佐々木ののか賞」を見てライトノベルがすぐに浮かんだ。
今の『私』を作った本は、電撃文庫のライトノベル、『Missing』(甲田学人:著)だ。
何故この本が私を作ったのか?
それは今の私が好きな怪しげな世界観が、まさしくこの本の様な世界観だからだ。
私はシンガーソングライター。曲を編曲する際、怪しげな雰囲気にすることがよくある。
私が1番最初に出会い好きになった怪しげな世界が、このライトノベル『Missing』の世界観なのだ。
表紙の美しさに息を呑み、キャラクターの髪形を真似するほどはまった
『Missing』の“missing”は、「紛失している、見つからない」などといったような意味がある。
その様な意味のタイトルがつけられているこの作品、ジャンルは、ホラーファンタジーだ。
とある学校を舞台に怪奇現象が次々と起こっていく。全部で13巻まであり、1巻はタイトルの後に「神隠しの物語」と書かれている。それ以降も「合わせ鏡の物語」といったように何やら怪しい名前がタイトルにつけられている。
このライトノベルと私の出会いは、友達Fちゃんがきっかけだ。
どの様な経緯かは覚えていないが、Fちゃんが私に勧めてきた。「この本面白いよ」と。Fちゃんが『Missing』を持ってきて1巻だけ貸してくれたのだ。
表紙が綺麗で思わず息を呑んだ。
そして、そこから『Missing』にはまった。
確か、小学校5年生のことだった。その年のクリスマスプレゼントは、『Missing』全巻。
休み時間に教室で読んだ。
登場人物の一人、「十叶詠子(とがのよみこ)」が好きで、同じような髪型に切ってもらったこともある。髪型を同じにしたところで、そのキャラクターにはなれないが。
小学校では、好きな本の音読の宿題があった。その時、『Missing』を選んで読んでいた時期もあった。
漢字が当時の私にとって難しく、上手く音読できないことが多かったことを覚えている。
Fちゃんが勧めたものが好きな世界観や趣味となり、私は変わった
Fちゃんとは小学校1年生の時に出会った。クラスで1番顔が可愛い女の子だった。ただ服装がボーイッシュだった。
Fちゃんは、私に様々なものを勧めてきた。
アニメもそうだ。
Fちゃんがきっかけで深夜アニメを見るようになり、声優を知った。
また、私にはゴスロリが似合うと良い、得意のイラストで私がゴスロリを着たイラストを描いたのだった。
現在私はステージに立つ時、ロリィタファッションだ。趣味の一つがアニメ鑑賞だ。
Fちゃんがきっかけで、私は変わった。
私は、『Missing』の世界観に憧れを抱いているわけではない。オカルトが好きというわけでもない。作中にある様な怪奇現象が起これば、私自身おかしくなってしまうだろう。
しかしながら、ホラーファンタジーというジャンルが好きだというきっかけにはなった。
怪しい音を曲で奏でれば、きっとまた『Missing』のことを思い出すだろう。