スカートを履けば女の子で、料理が出来ればいい女なのか

スカートを履いていたら“かわいい女の子”なのか。
「女を捨てている」。何度か言われたことがある。
服装はいつも動きやすさ重視で、夏はTシャツにサンダル、冬はスウェットにスニーカー。
同世代の子が着ているフリフリのシャツもヒールの高いブーツも身につけたことがない。

2歳上の兄がいる。
友達をよく家に呼ぶ兄だったため、小さい頃から兄の同級生たちに可愛がられてきた。
鬼ごっこもサッカーもスカートを履いていては勝てない。
兄のおさがりの服を着ていてもかわいいと言われてきたから、同級生たちが読んでいるファッション雑誌なんて読む必要がなかった。

料理ができたら“いい女”なのか。
小さい頃から料理は得意な方だった。
誰かのためにやっていたことではなく、自分が好きでやっていたことだ。
自分で考えながら料理をする時間が楽しかったし、美味しい料理を作ると親が褒めてくれた。

大きくなるにつれて、料理の「味」ではなく「誰に作るか」が重要なのだと知った。
世間的には「恋人に作っている」という回答はかなり点数が高くなる。
男性の場合、自炊をしているという事実だけで充分なのに。
女性であるが故に、“人のため“というプラスの要素が必要になってくる。
ここでの回答は、相手に想像を託すものが理想的。
事実を述べることは女としては評価が低くなってしまう。
こんな事を考えている計算高い女は怖がられる。

強い女の評価は恋人になると変わり、女の幸せは今も母になる事

“強い女”は好かれるのか。
「はっきりものを言う女性はかっこいい」と言われる。
上司だとしたら、しっかりとした意志を持っている方が人は付いてくる。

でも、恋人だとしたら相手に選択権を与えた方が女としては好かれるのではないか。
男性に劣等感を抱かせないために。
こんな事を考えながら笑っている女は嫌われる。

女の幸せは“母になる”事なのか。
大学では家政学を専攻していた。
料理、裁縫、保育。
どれも自分が学びたいと思っていたこと。

「いいお母さんになれるね」と何度も言われてきた。
私は母親になるための勉強をしているわけではない、自分が生きやすくなるための知識を増やしているだけだ。
これは学生時代に知ったのだが、義務教育で家庭科の授業があるのは日本くらいなのだとか。今は男女平等に教えられているのに、どうしても家事は女性の仕事だという考えはなくならない。

女の世界は怖い。面倒くさい環境を生き抜く知恵を身に付けているから

女の世界は怖いという。
これは変えられない事実。どのコミュニティにも女の揉め事は付きものだ。
誰が好きとか、媚びを売っているとか、女同士の戦いにはいつだって男がいる。
女の子の精神年齢が高いと言われる理由はきっと、面倒くさい環境を上手く生き抜く知恵を早くに身に付けるから。
プライドの高い男性への対応も、自分が舐められないための立ちまわり方も義務教育の時点で履修済み。

だから、男性には分からないことも分かる。
ちょっとずるいくらいが可愛いこと。
賢さは少しずつ出していくこと。
言わなくていいことはたくさんあること。
世の中には、わきまえない男性も沢山いること。