長い学生生活を終えて、とうとう4月から就職する。
1月になり、年を越えて初めて実感が湧いた。
昨年の10月に行われたオンラインの内定式。
オンライン上で行われたからなのか、全く自分事のように受け取ることができず、テレビを見ている感覚だった。
懇親会もオンライン。初対面の人とのコミュニケーションはより難しく
内定式後の懇親会ですら、オンラインで行われた。
同期生6人が個別ルームで自由に話すというスタイルだった。
初対面の人とオンライン上で会うことが増えてきてはいるが、未だにコミュニケーションの取り方がわからない。
1人が話すとみんながその人の話に集中する。
当たり前の話ではあるのだが、正直、集中されるが苦手だ。
話している人に対しての質問も注目されるのが嫌で、聞きづらくなってしまう。
そういう人が多数いるからだと思うが、話が一向に盛り上がっている気がしない。
逆に、1対1という中でのコミュニケーションは好きだった。
相手とのなんとも言えない距離感の中から、数少ない共通点を探して、距離を縮めていく。
共通の趣味があれば、「今度一緒に……」と次の約束、そして繋がりができる。
連絡先を交換する流れになり、共通の趣味だけでなくたわいのないことも話すようになる。
これを繰り返すと簡単に友達ができるのに……。
知り合いがいないままでの入社に感じる不安。さらに不安が重なり…
結局、内定式までに数回行われた内定者の懇親会と内定式での懇親会で、友達と呼べるまで仲良くなった人はいなかった。
もちろん、個人的に連絡する人もいない。
全く知っている人がいない中で、いざ、入社するとなるとかなりの不安がある。
さらに、不安なことがある。
それは、4月からの上京と初めての一人暮らしだ。
大学院まで、実家で暮らしていた私は、家に誰かいるのが当たり前でさらには犬までいた。
1人部屋もなく、もちろん勉強部屋などない。寂しいなど思ったことがない。
むしろ、1人になりたいと思うことが多く、平日はカフェ、休日になると旅に出かけた。
1人で生活するとなると、お金の使い方や、社会で認められる常識力などが必要となる。
それらの能力が今までの生活から得られているのだろうか。やってみないとわからないものだ。それまでにたくさんの人の意見を聞いて、自分なりの生活を模索する。
不安に思うより、まずは調べて、行動することの大切さを学んでいく
まだ、東京でどこに住むのか、それすらも決まってない。
土地勘の全くない私は、東京に住んでいたことのある人たちや実際に住んでいる人達の話を聞いて調べる。
街が多すぎてよくわからなくなってしまうのだ。
みんなどのように家を探すのだろう。
そこから調べないといけないのだ。
なんと長い道のりなのだろうと気が遠くなり、やる気が起きない。
姉や友達たちはそんなことからしていたのかと思うと尊敬しかない。
私は、自立する。
自分で稼いだお金で、生活をする。
ただ、それだけの当たり前のこと。
不安に思うよりも調べるそして、行動することがどれだけ重要かを身をもって体験していくのだ。
価値観や考え方だって全く変わってくると思うが、大切な人だけは手放さないようにする。
それだけは、変わらずにいたい。